碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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“日本一不幸が似合う女優” が、情熱部長に!?

2016年01月26日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム



日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、木村多江さん出演「まんが王国」のCMについて書きました。

まんが王国
「情熱部長 ページにこめられた重み」篇

「作品届けたい」
熱弁に心動く?

木村多江という女優さんは、どちらかといえば幸福な女性より影のある役柄が多かった。恋人に捨てられるとか、夫に裏切られるとか、そんな場面で圧倒的な存在感を示す。

随分前に新聞のコラムで「日本一不幸が似合う女優」と褒めたことがある。その後あちこちで引用され、今やすっかり定説となってしまった。

そんな木村さんが電子コミックサイト「まんが王国」のCMに登場した。和服ではなく、光沢のあるブラウスに黒のスカート。しかもカメラ目線で「作品に込められた想い、その重みを届けることが私たちの使命なんです!」と熱弁をふるうのだ。

電子書籍は日々進化している。旧作も含め読みたい時にすぐ読める利便性は侮れない。とはいえ中高年層の中には抵抗感をもつ人も少なくないはずだ。

しかし、不幸な女や小料理屋の美人女将だけが木村さんではないように、勇気を出してデジタルの海に漕ぎ出してみるのも悪くないですよ。  

(日経MJ 2016.01.25)