碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

【気まぐれ写真館】 小さな薔薇、咲く  2017.08.28

2017年08月29日 | 気まぐれ写真館
花の直径、わずか3センチ

書評した本: 『日本の覚醒のために~内田樹講演集』ほか

2017年08月29日 | 書評した本たち



「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。

内田 樹 
『日本の覚醒のために~内田樹講演集』

晶文社 1836円

著者の思考がより分かりやすく伝わってくる講演集だ。日本はアメリカの属国だという現実から逃げないこと。宗教的感受性が必要な時代であること。コミュニケーションとはいつもと異なるモードで話してみることなど、目からウロコ的知見が満載の一冊になっている。


文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」:編
『人の数だけ物語がある。』

扶桑社 1512円

人気のラジオ番組から生まれた朗読CDブックだ。市井の人たちの体験を大竹まことが語っている。江ノ電の運転士を夢見た少年。車いすのラグビー選手。自主夜間中学で教える先生の話。淡々とした大竹の朗読には、テレビでは伝えられない温かさと滋味がある。

(週刊新潮 2017年8月31日号)


浅田次郎 『竜宮城と七夕さま』
小学館 1512円

機内誌の連載エッセイ、昨年までの3年分だ。浦島太郎や牽牛織女の物語から、人間の想像力の話に至る表題作。小説の取材で訪れた中国東北部。自他ともに認める「いわゆるギャンブル依存症」のこと。書斎でも旅先でも、作家の好奇心と自由な精神は変わらない。

(週刊新潮 2017年8月10日号)