碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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吉田鋼太郎「おいハンサム‼2」最後までハンサムだった

2024年05月30日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

最後までハンサムだった

吉田鋼太郎主演「おいハンサム‼2」

東海テレビ制作・フジテレビ系

 

吉田鋼太郎主演「おいハンサム‼2」(東海テレビ制作・フジテレビ系)は2年ぶりの続編だ。

舞台は前シーズン同様、源太郎(吉田)が妻の千鶴(MEGUMI)と暮らす伊藤家。3人の娘は独立しているが、何かあると実家に顔を出す。

独身の長女・由香(木南晴夏)は、いまだに元カレの大森(浜野謙太)と縁が切れないままだ。また夫の浮気で離婚した次女の里香(佐久間由衣)は、会社の屋上で出会った謎の男(藤原竜也)が気になって仕方ない。

そして三女の美香(武田玲奈)は、婚約者・ユウジ(須藤蓮)の浮気疑惑でモヤモヤが続いている。そんな家族の前で、ちょっとハンサムな顔をして人生訓を述べる源太郎も以前と変わらない。

軸となるのは、オムニバス形式のような同時並行で描かれていく娘たちの日常だ。何か事件や大きな出来事が起こるわけではないのに、目が離せない。

それは、ややトンチンカンな男選びも含め、彼女たちが「素の自分」で世間と向き合っているからだ。迷ったり悩んだりする姿がチャーミングかつユーモラスで、つい応援したくなる。

25日の最終回、源太郎の訓示は「選択」について。選ぶことは大切だが、正解を求め過ぎない。自分の選んだ道を正解にしていく。その上で、選択の責任は自分でとること。

そう語る源太郎は、やはり最後までハンサムだった。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2024.05.29)