NHK
「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シーズン2
映像作家になったオダギリジョーを見逃すな!
1年ぶりの続編となる「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シーズン2(NHK)がスタートした。前作同様、オダギリジョーが脚本・演出・編集を手掛け、自ら出演もしている。
警察犬係の警察官、青葉一平(池松壮亮)が担当するのがオリバーだ。しかし一平には、この犬が人間に見えるし、会話もできる。
ぐうたらで、飛び切りの毒舌家。酒好き、女好きなオリバーを演じているのがオダギリジョーだ。自分勝手な「おっさん犬」に振り回される一平が実におかしい。
11年前に失踪した少女(玉城ティナ)が遺体で発見され、しかも数日前まで生存していたことが判明する。物語は、この事件の謎解きが軸だ。
しかし、これはストーリーを追うドラマではない。オダギリ監督が力を入れているのは本筋から外れた、脇道のようなエピソード群だ。そのために、何とも豪華なキャスティングを行っている。
たとえば、雑誌編集長は松たか子だ。生活安全課の警察官に黒木華。そしてキッチンカーで働くのは松田龍平・翔太の兄弟である。
いずれも物語展開とはほぼ無関係な人物なのに、出演シーンの濃度が半端ではない。すでにオダギリジョーは、俳優に「彼の作品なら参加したい」と思わせる映像作家になっているのだ。
今回も全3話の短期決戦。夏の終わりを告げる、打ち上げ花火のようだ。見逃すことなかれ!
(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2022.09.28)