NHK朝ドラ「舞いあがれ!」
祖母、母、娘…
女性3代は強い朝ドラのDNA
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の主人公、舞(浅田芭路)が東大阪に戻ってきた。
2週にわたる五島列島編では舞の祖母・祥子(高畑淳子)の存在が光った。
発熱に悩む舞の転地療養だったが、祥子は特別扱いしない。意思をはっきりさせる。自分のことは、自分でする。そんな祥子の教えが少しずつ舞を変えたのだ。
他者に迷惑をかけることを恐れる舞を祥子が諭す。
「失敗ばすっとは悪かことじゃなか!」。さらに「舞は人の気持ちば考えられる子たい。じゃばってん、自分の気持ちも大事にせんば!」。
祥子を見ていて、「あまちゃん」の「夏ばっぱ」こと天野夏(宮本信子)を思い出した。
暗くて引っ込み思案だったアキ(能年玲奈=現在はのん)は、この祖母と生活することでたくましくなっていったのだ。
また、家出同然で故郷を離れたアキの母・春子(有村架純→小泉今日子)と、やはり実家を飛び出して上京した舞の母・めぐみ(永作博美)の境遇もどこか似ている。
五島編は舞の成長だけでなく、めぐみと祥子の「再会と和解」を丁寧に描いていたことが大きい。
祖母、母、娘という女性3代の“つながり”は、「カムカムエヴリバディ」もそうだったように、強い朝ドラのDNAだ。
今週末には舞が大学生となり、福原遥が登場する。たくさんの「いい失敗」が楽しめそうだ。
(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2022.10.19)