碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」への オマージュが笑えた「時をかけるな、恋人たち」

2023年11月22日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「時をかけるな、恋人たち」

(カンテレ制作、フジテレビ系)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」への

オマージュが大いに笑えた

 

吉岡里帆主演「時をかけるな、恋人たち」(カンテレ制作、フジテレビ系)は、「パリピ孔明」と並ぶ今期の“奇作SFドラマ”だ。

「パリピ」では過去からよみがえった諸葛孔明が活躍するが、こちらは未来からやってきたタイムパトロールが騒動を起こす。

ヒロインの廻(めぐ、吉岡)は広告代理店のアートディレクターだ。失恋した夜、「23世紀人」の翔(永山瑛太)から、違法タイムトラベラーを取り締まる仕事に無理やりスカウトされる。

これまでに、未来から駆け落ちしてきた女性教師と男子生徒のカップルや、令和のホストに恋をした未来人の生真面目女子や、令和の女性と組んで人気お笑い芸人になった、未来の売れない作家などに対処してきた。

しかし、このドラマ最大の見所は、やはり廻と翔の「禁断の恋」だ。

先週は“恋の避難所”として選んだ1980年代にタイムトラベル。そこで結婚前の廻の両親と出会う。しかも父のナンパ癖のせいで、カップル解消の危機に遭遇する。

何とか2人の恋を成就させようとする廻と翔。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」へのオマージュが大いに笑えた。

吉岡はコメディエンヌとしての力を存分に発揮し、永山はとぼけた味の未来人を飄々と演じている。

異色のタイムトラベルドラマであり、奇抜な恋愛ドラマでもある本作。どう着地するのか注目だ。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2023.11.21)

 


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