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今季限りの引退寂し
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宮本慎也という人を知っているだろうか。知っている人は知っている、知らない人は何のことだか。
プロ野球ヤクルトスワローズの遊撃手です。現在42歳。8月26日に、今季限りでの現役引退を表明しました。あと2カ月で引退です。けっして派手ではありませんが、渋いプレーヤーです。いぶし銀、勝負師的な存在感のある選手です。テレビで宮本選手のプレーを見るのは楽しみでした。
ちょっと紹介をします。。2004年のアテネオリンピック野球日本代表では、予選より長嶋茂雄代表監督より主将の指名を受けています。2008年の北京オリンピックでも星野仙一監督から主将をまかせられていました。2012年に2000本安打を放ち名球界入りを果たしています。
しかし、それ以上の記録があります。
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バントなどの犠打数が通算400を超えています。史上3人目です。犠打がなければ安打ももっと増えているかも知れませんが、縁の下の力持ちの役に徹しています。
2011年に、292回の守備機会で失策をわずか1つに抑え守備率’997を記録し、三塁手の守備率のプロ野球新記録を更新しています。エラーがわずか一年間で一個。信じられないプレーです。
「ファインプレーがいかにも守備でのファインプレーだったとなると、たとえアウトが取れたとしても、投手には打たれてしまった気分が残るから、難しい打球でも簡単に取っているように見えることが守備の能力として必要だ。」
難しいプレーを、いかにも簡単に見せていました。そのため、宮本選手は難しいゴロも正面でさばく守備をしていました。自分がスポットライトを浴びるのではなく自分のプレーから他の選手をひきたてていきました。存在感のある脇役に徹していました。
今月の8月、試合に負けたのにも関わらず、シャワー室で大声ではしゃいでいた選手に「場をわきまえろ。」と叱責。侍の雰囲気も持っています。
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名言もたくさんあります。
「チームは背中と口で引っ張る。」
「脇役の一流になれたと思います。」(2000本安打を打って)
「球道即人道」 (勝てばいい、上手くなればいいという考えで、野球以外のことを大事にしない選手は人間として成長できないし、心も育たない。ひいては野球でも成果が残せなくなる。ゴールは野球にとどまるものではないということを心にとめておきたい。また野球を通じて幸福になるための勉強をしているという意味)
「変化できない選手は通用しないですね。特に顕著なのが外国人選手ですよ。俺はこのスタイルでここまで来たからこれでやるというのはやっぱり駄目ですね。なんとか日本のスタイルを学ぼうとした選手が成功していますよね。典型なのがラミレスですね。日本のスタイルを学ぼうと努力した選手ですね。」
「プロのアスリートだって、やってきたものしか持っていないんです。それ以上のことはできない。」
重みのある人の言葉には重みがある。