
くまざさ

あかまつ

にわとこ やまたず

つまま たぶのき

たく かじのき

くぬぎ つるばみ

せんだん あふち

ぬるで かずのき
市川万葉植物園にある木の中から万葉の詩を見てみます。
笹とは小型の竹のこと。クマザサは葉の縁(隈くま)が白く縁取られるところから名付けられました。
小竹(ささ)の葉は み山もさやに 亂るとも われは妹思ふ 別れ來ぬれば 万葉集(巻2-133)
松はマツ科の常緑高木で代表的なものに、海岸付近に見られるクロマツと山に見られるアカマツがあります。花は4月頃に咲き、松ボックリと呼ばれる実が(翌年の)秋になります。
松は昔から、神の憑(よ)り代(しろ)、つまり神様が天から降りてこられる木として考えられてきました。今でも、お正月の門松として残っています
み吉野の玉松が枝ははしきかも 君が御言を持ちて通はく
昔、「山たづ」とよばれていた植物は現在のニワトコとされています。
スイカズラ科の落葉低木で、まだ寒さ厳しい2月、多くの木々が冬籠りをしている最中(さなか)に緑も鮮やかな新芽を出し、「もうそろそろ春だよ」と告げてくれる目出度い木です。
君が行き日長くなりぬ山尋ね 迎へか行かむ待ちにか待たむ
つままは、イヌガシやイヌツゲなど異説もあるが、タブノキ(イヌグス)と見る説が多いそうです。タブノキは常緑の大高木で、高さ十メートル、幹一メートルを越えるものもあります。
礒の上のつままを見れば根を延へて 年深からし神さびにけり
たく(たへ)はコウゾ(クワ科の植物)で、ヒメコウゾとカジノキの雑種とされています。ヒメコウゾの別名をコウゾとする場合もあり、コウゾには楮の字を用い、
カジノキには梶、構、榖の字をあてていますが、現物を見て識別するのはなかな か難しいものです。
栲(たく)は楮の古名とされ、その繊維が丈夫なので、古くから衣類、網、縄、衾(ふすま)、領布(ひれ)などに用いられてきました。
「たく」で織られたものが「たへ」、特に美しいものは「しろたへ」と詠われています
春過ぎて夏来るらし白妙の 衣干したり天の香具山
橡(つるばみ)は、ブナ科コナラ属の落葉高木のクヌギ(椚・櫟・橡)のことです。5月頃に花をつけ、秋に丸みのある大きなドングリをつけます。ドングリの実を煮出して、鉄を媒染材として、
紺黒色の染料として使ったそうです。これで染めた衣は、庶民のための質素なものだったとか。
橡の衣は人皆事なしと 言ひし時より着欲しく思ほゆ
楝(あふち)は、センダン科センダン属の落葉高木の栴檀(せんだん)の古名です。5~6月頃に薄紫色の花を咲かせます。秋に実がなります。
ちなみに、「栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より香(かんば)し」の栴檀(せんだん)は白檀(びゃくだん)の別名で、楝(あふち)とは別物です。
妹が見し楝の花は散りぬべし 我が泣く涙いまだ干なくに
ぬるでは、ウルシ科ヌルデ属の落葉小高木。ウルシほどではないが、まれにかぶれる人もいます。。別名フシノキ、カチノキ、 ヌルデ
足柄のわを可鶏山のかづの木の 我をかづさねもかづさかずとも
古来から人々の生活の身近に有った木々が、歌に詠まれて受け継がれて来たのですね。
センダンの木は、「栴檀は双葉より香し」の栴檀とは違う事位しか私は分からない事ばかりです😅
「たく」の木は知りませんが、「白妙の・・・」の歌は分かりますので逆に「たく」も身近になりますね。
最近ヌルデの木(お花)を覚えたばかりで、殆ど木々の名前も判らず、大変勉強になります。
いつも木肌を観て名前が判ると良いなぁと思ってますが、なかなかダメです・・・😂
和子さん、あたたかい応援のアクションをたくさん頂戴しましてありがとうございます。
今日は白鳥庭園までスローランして来ました。
カワセミ、キセキレイ、シジュウカラなどに出会えて嬉しかったです。
まだ慣れないカメラでシャッターチャンスも逃しがちですが、頑張ってたくさん撮って来ました😃
万葉集の植物が今も私たちの身近にあるとは不思議というか「あ そうなのか」と納得もします。勉強させて頂いています。有難うございます。
萬葉集の中で取り上げられている木は日本では身近にみられる木ばかりですね。
市川万葉植物園の木は大きくありませんが多くの種類が植えられていて勉強になりました。
コメントありがとうございました。
小学校の頃、家族で正月には百人一首をして遊びました。兄が二人いて妹の私は何時も当然負けるわけですが、2種ぐらい上の句を覚えていてこれだけは絶対取ると決めていたものです。
それが「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほしたり天の香具山」でしたね。
意味が解れば「白妙」とはこういうことだったのかと木を見て子供のころを思い出したりしました。
ぬるでの白い花もきれいですよね。
コメントありがとうございました。
樹木散策では樹の大きさとか樹齢ばかりを気にして歩き回っているのですが、
その木が読まれている万葉の詩も注意しながら歩けたら面白いのでしょう。
それをまとめておくのは楽しみの一つになるかもしれません。
木を見てすぐに披露できるようになりたいかな。
コメントありがとうございました。