遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

学びのモチベーション

2010-11-02 12:36:23 | ブックリスト
進路の仕事を今年からやっている。
「美術」と「進路」
「美しい物を相手に人の役に立つような仕事がしたい。」と
ふとつぶやけばダンナが「やってるやん。」
「まーそうやなー」というしかないが、、、。
(時々激しく美しくない場面に遭遇するが)

この夏から秋にかけて色々な学校(公立も私立も)
合同説明会などに顔を出した。
高校の先生は、まーなんとがんばってはることか。
合同説明会なんて紹介DVDはもちろんのこと
生徒会出演あり弦楽四重奏あり、先生と生徒のお芝居あり、
映像との合体のバラエティ番組風ありで
涙ぐましい、前向きさ、モチベーションの高さ。
こちらもおのずと感染する。

でも時々、「進学率を上げるために有名予備校の
授業の映像を流してます。」というケース。
ちらほら見受けられる。これってサテライト授業と
言うのよ。サテライトといえば昔、梅田あたりの
ビルの1階にガラス張りのスタジオがあり、
そこでラジオの生放送が実演されていた、、。
それをサテライトスタジオと言ったような記憶が
ある。

その他、あらゆる手を尽くして有名大学の進学率を上げ
クラブ加入率を上げ、体育祭の応援合戦や
文化祭を盛り上げ、朝夕に補習をし高校生を休ませることなく
いたれり、尽くせりで活性化し続ける高校という機能。

今時の高校生って疲れるだろうなと本気で思う。
わが身を振り返ってみれば
いわゆる「あっ勉強って歯が立たないんだ。」と
悟った瞬間だった。もう何にもやる気のない
燃え尽き状態だったような気がする。

もうひたすらだらだらしていたような気がするが
本だけは読んだよー。マンガから近代日本文学まで。
この時期がなかったら夏目漱石も太宰治も島崎藤村も
三島由紀夫も大江健三郎もヘルマン・ヘッセも
じっくり読まなかったかもしれない。

そんなに忙しい高校生が
日がな一日「なんで生きてるんだろう?」とか
「どんな大人になりたいか?」なんて
考えることがあるのだろうか?
人生のいつの頃に考えるんだろうか?
高校生の時しかないと思うんだけど。

ある私立高校に行って在校生が
「毎日の事をしっかりやってみようと高2の頃に
気がついた。」と言っていた。
えらいなー。それで十分じゃないかと心底思った。
なかなか悟れないよ大人になっても
「目の前の事をしっかりやっていこう。」なんて。

「君の中には眠っている才能がある」って
常套句は確かに授業の技としては時々使う。
でも「才能」がない人もいっぱいいるんだ。
という事をいつか気がついて
少しずつ毎日の事を手を抜かずにやっていこうと
思えればそれが幸せに近づく第一歩だと思うが。

「私はこうやって成功しました。」話ばかりの
進路なんてそろそろ見切りをつけて
自分の足元を固めるような進路を語っていきたいな。

学びのモチベーションを上げたあと
いったいどれだけ
それが毎日の生活の繰り返しとなって
生身の人間に根付くのだろうか?

てな事をたつるんの「知に働けば蔵が建つ」2005年刊を
今さら読みながら考えた。