里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「苺」 イチゴの旬はいつ?

2022年12月25日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

今日はクリスマス、昨夜はイブ。今や特別なこともなく普通の日常と変わりません。
それでもクリスマスと言えばケーキ、ケーキと言えば付きものなのがイチゴ。
ところで、イチゴの旬はいつ?。
そもそも作物の旬とは何でしょう。
一番美味しく食べられる時期、穫れ始めの頃、収穫のピークに達する頃、自然(露地)栽培での穫れ時、店に本格的に出回る頃、等々。
かなり概念的で地域差もあり、個人差もあって、絶対これと定義づけるのは難しそうです。
小生のイメージでは「露地栽培で、穫れ始めから収穫の最盛期に向かう頃の最も美味しさを味わえる時期」と言ったところでしょうか。
では、イチゴの旬はどうでしょう。
今時なら、クリスマスの頃と感じる方がかなりおられても不思議ありません。
価格の高いこの時期に合わせてピークにもっていこうとする生産者の方も多いはず。
実は露地栽培での収穫期は当地では5月下旬から6月半ば、関東以西なら5月でしょうか
昔は我が家でもイチゴを少し作っていました。品種が東のダナー、西の宝交早生と言われた時代です。
イチゴは低温に遭うと休眠に入るという生理現象があります。
一旦休眠に入ると必要な低温量を経過しないとまともに生育してくれません。
露地では冬を越すので過剰なほどの低温に遭うことになります。そうすると春には休眠はすっかり覚め、株は旺盛に茂ります。
そして前の年の秋に出来ていた花芽が伸び実を結びます。
ただし、花房はこの1本だけしか出ません。ですから穫れるのは僅か2、3週間といったところ。
画に描いたように赤い実が成っている時に次の花房の花が咲き出すことはありません。
ですから、この画のモチーフはハウスのイチゴということになります。
もっとも大分省略し描いてしまいましたが。
今のハウスのイチゴはごく早い方は11月中から、大概は12月から穫り始め春まで、花房も次々と伸び出します。
露地とは品種も違いますが、イチゴを眠らせないよう環境をコントロールして働かせ続けます。春は露地のイチゴよりも遅くまで成っています。
店には5、6月になっても露地のイチゴが出回ることはなくハウスのイチゴだけです。
露地のイチゴは趣味的なもの以外は皆無と言っていいでしょう。
さて、イチゴの旬はいつということになりましょうか。
現代ではハウスイチゴのいわゆる1番果、12~1月あるいはクリスマスの頃と言っても間違いではないでしょう。
結論はなかなか出ないかもしれません。ただ、5、6月と言うのは現実的でなさそうです。
大分前、どなたのブログだったか、イチゴは1月から5月まで穫れるからイチゴと言うとありましたが、うまいことを言うなあと感心したことでした。