里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ダイコンとニンジンの冬囲い

2022年12月26日 | 畑:根菜類

先週末、日本海側は大雪に、西日本でもかなり降った所もあるようですが、当地は雨が僅か降っただけで雪は全く降っていません。
そんな中、ダイコンとニンジンの冬囲いをしました。
今年、ダイコンは最初の種播きが8月23日、以後1週間間隔で3回に播いています。
品種は何れもタキイ種苗の「耐病総太り」。
揃いも肥大も良好。


1回目に播いたダイコンを10月20日頃から12月上旬まで穫っていました。
3回目のダイコンはもともと囲い用ですが、2回目のダイコンも多くが囲いに回ることになりました。
11月の気温が高く、何れも大きくなっています。


ダイコンが大きく育ちすぎれば問題になるのはス入り。
しかし、「耐病総太り」の良さは味や姿に加えてス入りしないことが最大の長所。
処分することなく穫り続けられます。
但し、根が地上部に半分くらい出ているので、当地のような寒冷地では次第に凍害を受け傷んできます。
多少の氷点下になっても問題ありませんが、連日のように氷点下になるようだと放置できません。
冬囲いは二つの方法で行います。
今年は助っ人が二人。これまでも経験があるので作業は任せました。小生は別件があり、途中経過はなく出来上りだけです。
一つはダイコンの葉を付けたまま囲う方法。


土を掘りあげ、稲わらを間に挟みながらダイコンを斜めにして埋めていきます。


葉が付いたままなので、瑞々しく新鮮さが保たれます。
但し、嵩張り手間がかかります。稲わらも多く必要で場所もとります。


もう一つはダイコンの葉をすっかり落として土中に埋め込む方法。


土を掘りあげ、葉を切ったダイコンを埋め稲わらを掛けて土を戻します。
目印に稲わらを少し地表に出したようです。


この方法は手間がかからず、場所もとりません。水はけの良いところが条件。
貯蔵期間が長くなるほど肌が悪くなってくるのはやむを得ません。
それぞれ半々ずつで、葉付きのダイコンの方から先に消費します。
当面使う分は、そのまま畑に残しました。


ニンジンは2回に播いています。
右の畝が1回目で7月7日、左が2回目で8月9日。


品種は何れもトーホク種苗の「黒田5寸陽彩」。
1回目に播いた秋ニンジンは10月初めから穫り始め、まだ残っています。
2回目に播いた冬ニンジンは全く手つかずで、これが囲いに回ります。


ニンジンは根が土中に入っているため、凍害の影響は受けにくい。
但し、厳寒期には囲った方が降雪などあっても取り出しやすく、当地では一定量を囲うのが普通。
今年は量が頗る多く、2回目に播いたうちの2/3程度を囲うのが精一杯。それでも100数十本はあるはず。
ダイコンと同様に、土を掘り上げ、葉を付けたまま稲わらを挟みながら土を戻します。


ニンジンを10本くらいずつ束ねて埋めると取り出すときに容易です。


残りは畑に残したままで、こちらから消費します。1回目の秋ニンジンも残っており、結局囲った量と同じくらい畑に残りました。


少し穫ってみました。まずまずの姿になっています。

ダイコンもニンジンも例年より多く年を越すことになりました。
ともに10月から半年間穫り続けます。


水墨画「苺」 イチゴの旬はいつ?

2022年12月25日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙  

今日はクリスマス、昨夜はイブ。今や特別なこともなく普通の日常と変わりません。
それでもクリスマスと言えばケーキ、ケーキと言えば付きものなのがイチゴ。
ところで、イチゴの旬はいつ?。
そもそも作物の旬とは何でしょう。
一番美味しく食べられる時期、穫れ始めの頃、収穫のピークに達する頃、自然(露地)栽培での穫れ時、店に本格的に出回る頃、等々。
かなり概念的で地域差もあり、個人差もあって、絶対これと定義づけるのは難しそうです。
小生のイメージでは「露地栽培で、穫れ始めから収穫の最盛期に向かう頃の最も美味しさを味わえる時期」と言ったところでしょうか。
では、イチゴの旬はどうでしょう。
今時なら、クリスマスの頃と感じる方がかなりおられても不思議ありません。
価格の高いこの時期に合わせてピークにもっていこうとする生産者の方も多いはず。
実は露地栽培での収穫期は当地では5月下旬から6月半ば、関東以西なら5月でしょうか
昔は我が家でもイチゴを少し作っていました。品種が東のダナー、西の宝交早生と言われた時代です。
イチゴは低温に遭うと休眠に入るという生理現象があります。
一旦休眠に入ると必要な低温量を経過しないとまともに生育してくれません。
露地では冬を越すので過剰なほどの低温に遭うことになります。そうすると春には休眠はすっかり覚め、株は旺盛に茂ります。
そして前の年の秋に出来ていた花芽が伸び実を結びます。
ただし、花房はこの1本だけしか出ません。ですから穫れるのは僅か2、3週間といったところ。
画に描いたように赤い実が成っている時に次の花房の花が咲き出すことはありません。
ですから、この画のモチーフはハウスのイチゴということになります。
もっとも大分省略し描いてしまいましたが。
今のハウスのイチゴはごく早い方は11月中から、大概は12月から穫り始め春まで、花房も次々と伸び出します。
露地とは品種も違いますが、イチゴを眠らせないよう環境をコントロールして働かせ続けます。春は露地のイチゴよりも遅くまで成っています。
店には5、6月になっても露地のイチゴが出回ることはなくハウスのイチゴだけです。
露地のイチゴは趣味的なもの以外は皆無と言っていいでしょう。
さて、イチゴの旬はいつということになりましょうか。
現代ではハウスイチゴのいわゆる1番果、12~1月あるいはクリスマスの頃と言っても間違いではないでしょう。
結論はなかなか出ないかもしれません。ただ、5、6月と言うのは現実的でなさそうです。
大分前、どなたのブログだったか、イチゴは1月から5月まで穫れるからイチゴと言うとありましたが、うまいことを言うなあと感心したことでした。







干し柿づくり'22~贈答品を作る

2022年12月24日 | 干し柿づくり

干し柿の贈答品を作りました。
できれば、もう少し固まってからの方が輸送時の心配もなくなるのですが、今年も押し迫ってきたので、このあたりで贈ることにしました。
この時期に干し柿を贈るのは、相手方の年中行事にも殆ど組み込まれているため、なかなか止められません。
近くの親しい方には縄付きのまま直接届けるので、箱詰めにして贈るのは、遠方の親戚、知人あてのもの。
昔は、縄付きで数十個贈ったところもありましたが、今は20個程度で勘弁願っています。
その代わり、姿の良いものを選別し、体裁を整えて箱詰めにしています。
現在はこのように覆いをしている状態。


今回は横吊りにしている片方の覆いを外し、大玉を贈答にします。


ボリュームは十分で大きさは申し分ありません。
色上がりもよく、薄らと白粉も吹いてきたものもあり、見栄えは良さそう。
ただ、まだまだ軟らかく、贈答の時点としてはこれまでで一番軟らかいかもしれません。


箱の大きさとの関係で中玉も入れて調整します。それはこちら縦吊りにしている方。白粉がはっきりと吹いてきました。


一つ作ってみます。


やはり、例年よりはっきり軟らかい。手触りで分ります。
盛り上がるようになって押しつぶされそうなので、2列は中玉にしました。
見た目は悪くありません。
照明の関係か、カメラ性能の関係か写りが少し白っぽい感じになっています。


照明を消してフラッシュを焚いて撮ってみました。


どちらの写りも本物とは若干違和感があり、両方の中間くらいの色合いでしょうか。
しっとり感があり、若干湿気が戻っているのかもしれません。


もう一つ作ってみます。


ほとんど同様になりました。やはり軟らかく完全にあんぽ柿の状態です。


小生は白粉が回った頃が干し柿として外観も味も最も好きです。時期で言えば、年を越してから。
しかし、当地方では殆どあんぽ柿の状態で店に出回るので、大半の人はこのくらいで違和感ないでしょう。
もっと熟度が進んだ干し柿が好みの人は受け取ってから少し置いて食べてもらえばいいと思います。
蜂屋柿が大不作の今年としてはボリューム感十分の贈答品になったので安堵しました。
今年、我が家の畑では秋冬野菜が何れも豊作、ハクサイ大玉1個より干し柿大玉1個の方がずっと価値が高そう。


ハクサイの冬囲い

2022年12月23日 | 畑:葉菜類

ハクサイの冬囲いをしました。一昨日です。
8月25日に直播きしたもの。
品種は、トーホク種苗の中晩生種「郷秋80日」。
生育は順調で揃いも良い。すでに殆どが完全結球しています。


大球になりすぎないよう株間を狭くしていますが、11月の好天で何れも大球になっています。


4㎏級の特大球になっているものもあるようです。


全国的に作柄良好とみえ、市場価格も低迷しています。
さすがにここにきて、急に冷え込み降雪もあったので多少状況は変わるでしょうか。
この品種は外葉が大きく青々としているので、耐寒性がつくようあまり囲いは急がないようにしています。
しかし、当地にも雪雲が流れ込むようになり直ちに囲いが必要になりました。
囲い用は2畝で、1畝に20数株あります。


やり方は当地でごく一般的に行われている2通りの方法。
1畝は外葉を縛って畑に置いたままにします。


いずれも助っ人が縛りました。
この品種は外葉がパリッとしており、強く縛ると破れやすい。
それでも外葉が大きく枚数も多いため結球を完全に縛れるので問題ありません。


上から見ると、このくらい結球部を十分に包むことができれば、多少外葉が傷んでも大丈夫でしょう。


この後、さらに不織布で覆います。


この方法は、一番簡便です。
ただし、寒冷地のこの辺りでは極寒の年だとやはり凍害のリスクがあります。
逆に暖冬だと結球内では花芽が生長しやすい。遅くまで放置すると割れてくるので2月には中に取り込む必要があります。
1畝は作業場の中に取り込んで貯蔵します。これも助っ人がやってくれました。
少し乾かした後、外葉を数枚付けたまま新聞紙で包みます。

大球なので、2枚の新聞紙をずらして重ね、全体をすっかり包みます。


逆さにして立てます。こうすると芯が生長しにくい言われます


きっちりと寄せます。


覆いをして完了です。


この方法が天候の影響を受けないので、最も確実な方法です。
外葉を全部剥かず数枚付けて包むことが大事で、使うときに外葉を外せば鮮度の良い状態が保たれます。
但し、少々手間が掛かりスペースが必要なことが難点でしょうか。
こちらは早生種の「郷秋60日」。


10月半ばから穫り始めましたが、まだ若干残っています。
寒さで多少変色した程度で、全く問題ありません。
この分はあと僅かなので、この状態にしたまま収穫します。
一つ穫ってみました。早生種ながらずっしりと重く3㎏を越えていました。


切ってみると、ぎっしりと詰まっています。


黄芯系らしく黄色い葉が表面近くまで達しています。黄芯系ハクサイはやはり美味しそうに見えることは間違いない。


今年の冬至カボチャはしっかり

2022年12月22日 | 畑:果菜類

今日は冬至。
今年はしっかりした冬至カボチャを確保できました。
冬至にカボチャを食べる風習は各地にあるのではないでしょうか。
当地方でも昔からの習わしです。冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかないと言われています。
我が家でどうだったのかは曖昧で、幼少の頃に冬至カボチャを食べたという記憶がないのです。
しかし、いつの間にやら母が作るようになっていたような気がします。以来、何となく続けていると言った感じでしょうか。
近年は冬至カボチャにする貯蔵用の遅穫りカボチャの出来がパッとしません。
一昨年は1個もものにならず、昨年も辛うじて確保したという状況。
そもそも生育初期が真夏に経過するこの作型は、当地ではかなり厳しいものがあります。
今年はベストとは言えないもののそれなりの姿になりました。
7月1日に直播き。
品種はサカタのタネの「雪化粧」と1株だけ古種で渡辺採種場の「白爵」。
1番果が20節目くらいと高い位置に着果、2番果は一つも着かず、結局1株1果という結果に。
これが8月下旬の頃。


最後に、「雪化粧」5個、「白爵」1個を確保。10月11日にほぼ開花後50日で収穫しました。
これが収穫時のもの。


形が良く大きさも2~3㎏と比較的揃っているものが出来ました。
収穫時、同じ白皮系でも右の「雪化粧」は青みがかった灰色、左の「白爵」はほぼ純白です。


ともに極粉質で貯蔵性が極めて高い。
サカタのタネによると、1カ月程度の貯蔵で甘みが増し食味が最高になるとあるので11月半ばくらいが1番良いことになります。
収穫した時点ではこちらの「九重栗」カボチャの3番果が沢山残っており、そちらから消化。


しかし、「九重栗」カボチャ2個ほどは劣化が進み今月早々に処分しました。
その後、遅穫りカボチャはこれまで「雪化粧」2個を消費し、評価は上々。
現在残っているのが「雪化粧」3個と「白爵」1個。


収穫当初に比べると色合いが少し変化しています。右「雪化粧」で左「白爵」。


冬至カボチャには「白爵」を助っ人達が、この少し小振りな「雪化粧」を我が家で使うことにしました。


その「雪化粧」を切ってみました。悪くないように見えます。


この辺りの冬至かぼちゃは小豆と一緒に煮込むのが一般的です。
我が家ではシンプルなかぼちゃ煮。おまじないのようなものではありますが、御利益があればありがたい。
風邪の予防になるならコロナにはどうか。