■【あたりまえ経営のすすめ】1-3-45 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 共用智拡充の実務
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
それが露呈したのが、東日本大震災の福島原発事故ではないでしょうか。
その対応においても、事後対応においても、専門家と言われる人達な何もできず、口を閉ざしてしまっだではないですか。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
40年余の経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 1-3章 【組織編】 あたり前のように「組織で動く」には
「組織で動く」「組織的な活動」等々という言葉を、しばしば耳にしたり、口にしたりします。しかし、それには、どうしたらよいのでしょうか。
頭ではわかっていても、言葉にして、他の人に説明しようとすると困惑してしまいます。そのような、お悩みの参考にしていただければと考え、連載しています。
また、これまで【第1章 経営編】、【第2章 心 de 経営編】をお届けしています。そちらのバックナンバーも掲載していますので、併せてご覧下さると幸です。
■ 1-3-45 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 共用智拡充の実務
「継続は力なり」という名言があります。一方で、「三日坊主」という言葉がありますように、前者が名言になるということは、いかに「継続」することが難しいことかがわかります。
「企業30年説」ということが1980年代に言われましたが、創業してから30年を経過しますと、継続して生き残っている企業は激減するといいます。一方で、「あたり前のことが、あたり前にできる」企業というのは、何とか生き残り、その多くが、勝ち残っているということを、私達は経験的に知っています。
あたりまえ経営ができている企業というのは、自社のノウハウ蓄積ということがあたりまえになっているという事実にもなっているのです。このことから「蓄積は力なり」という言葉が生まれました。
それでは、どの様に蓄積をして行ったらよいのか、営業部門を例にご紹介します。
営業パーソンというのは、顧客への営業活動を繰り返している中で、次第に営業ノウハウというのが身についてゆきます。しかし、それでは一人の営業パーソンのノウハウは、その個人にしか蓄積されません。
企業という組織は、社員一人一人がバラバラに活動しているより、全社一丸となって、共通目標を共通認識して、同じベクトル方向に向かって共通行動をすることによって、その効果を高めることができるのです。
この活動の基本は、双方向コミュニケーションをベースにしたPDCAであり、「温かい管理」であるのです。(「温かい管理」は、当該する事項をご参照くださると幸いです)
温かい管理におけます双方向コミュニケーションというのは、計画書やその上位概念であります経営理念や経営計画と、営業日報などの報告書をもとに、文書と口頭で行われます。
また、これらは、基幹業務システムのデータとリンクさせますと、一人当たりの利益や費用の使い方分析、商品・サービス毎の利益率や原価率の変化、経営資源の効率性などときめ細かな分析につながり、社員一人一人の気づきの材料ともなり、管理職の部下指導・育成の情報源としても活用できます。
その時に重要なのが、報告者も、それを受ける側も五感を用いて、ノウハウを見極め、蓄積してゆくことです。そして、それらが一部の人にのみ共有されるだけではなく、だれもが閲覧し、自分の活動に活用できるような仕組みが必要となります。これを「温かい管理システム」とか、営業部門では「営業設備」といいます。
形としましては、マニュアルとか、規定とかいわれる成果物として作成し、それをもとに蓄積して、それを改良しながら、自社のノウハウを成長させてゆくのです。そして、だれもがそれを活用できる、すなわち、単なる「共有」ではなく、「共用」できるようにして、だれもが活用できるようにします。
個人の経験やノウハウが、組織の財産として「共用」され、その財産を、ふたたび個人が活用することにより、一人一人が成長します。成長した個人の財産を、組織の財産に組み込むことにより、この循環が、スパイラルアップに繋がるのです。
ここで、蓄積されました共用財産の成長が、企業成長として「見える化」できるのです。
【 注 】
一見、「あたりまえ経営」は、簡単そうですが、自己流では、なかなか成果に結びつきません。
温かい管理による「あたりまえ経営」ができる組織への体質改善につきましてのコンサルティング依頼をお引き受けいたしますので、ご相談ください。
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