■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-55 PDCAの「C:チェック(check)」で経営品質を高める
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-55 PDCAの「C:チェック(check)」で経営品質を高める
「C:チェック(check)」は、何のためにするかにつきましては、いまさらお話するまでもありません。
経営は、経営資源というインプットにより、成果というアウトプットを産み出すことです。その経営資源は、無尽蔵に存在するのではなく、限られた存在です。その大切な資源を有効的に使うことが、経営効率が高いといえ、それをマルコム・ボルドリッジの「経営品質」と言います。
業務が効率よく行われていれば、チェックをしなくても済むのですが、何もしなくてもスムーズに経営が行われることは奇蹟のようなものです。
経営というのは、インプットに対するアウトプットの比率、すなわち投入資源に対して、成果が大きいことが好ましいことなのです。
成果を高める方法に、「効率と効果」というアプローチがあります。
「効率」とは、一定の成果を上げるために、投入する経営資源をできる限り抑えることで高めるというアプローチです。たとえば、「10億円の売上計画を達成するために、経費をできるだけ抑える」というような努力をすることが、「効率を高める」ことに繋がります。
「効果」というのは、投入する経営資源は一定で、成果をできるだけ大きくするというアプローチです。「経費予算を増やすことができないので、決定された予算で、如何にしたら成果を高められるか」という、経営の努力方法が「効果を高める」ことに繋がるのです。
この考えを、営業活動の効率という側面で捉えたのが「トレーラーの生産性論」です。
受注や売上を上げるのに要する「時間」というファクターと、「行動の量」と「行動の質」というファクターの関連から、生産性の高低を判断しようという考えです。す
なわち、分母をできる限り小さくして、高い数値結果を出すのか、分子をできる限り大きくするのかということを管理のあり方の指標と考えると言うことです。
受注や売上までのリードタイムをできる限り短縮することで、営業の生産性を上げることができます。すなわち、リードタイムを短縮するためにどうするかという点に管理ウェイトをおく方法が考えられます。
一方、「営業は足で稼ぐ」と昔から言われていますが、生産性を高めるには「行動量」を大きくすることで可能となります。
また他方で、「営業には頭を使う」という言葉もあります。知恵と経験を活かして、「行動の質」を高めることにより、分子を大きくすることができます。
このように、営業活動の品質を高める、重要なファクターを凝集したのが、トレーラーの生産性論なのです。経営品質も、いろいろな指標を診ることで判断でき、品質を高める方策を模索することも必要なのです。
それでは、それをどのようにして行うのかを考えてみましょう。
その基本は、管理会計的な発想の導入で、その実施も、管理会計に用います基幹業務システムや付帯しますシステムを、有機的に組み合わせて、データを、いろいろな角度から見て、現場に落とし込むことです。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
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