■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-50 PDCAの「D:実行(Do)」 自己管理の重要性
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-50 PDCAの「D:実行(Do)」 自己管理の重要性
温かい管理の「P:計画(Plan)」についてみてきました。それに基づいて、どの様に「D:実行(Do)」を進めてゆくのかについて見て行きましょう。
PDCAの「D:実行(Do)」は、上位概念のPDCAのDにあたるPDCAの中の「D:実行(Do)」であることは、「伸縮PDCA」の項でご紹介しています。
「D:実行(Do)」は、「共通目標・共通認識」を意識して立案されました月度計画書に基づいて、「共通行動」を起こすことです。
営業パーソンの場合には、他の社員と異なる点が「自由裁量」による、管理職のいない場での活動が中心です。すなわち、自己管理が重視されるわけです。
それだけに、「P:計画(Plan)」は重要で、管理職や関係者との事前打ち合わせや準備が重要なのです。その「P:計画(Plan)」に基づいて、行動をするのですが、顧客を相手にしたり、交通事情など、外的要因も絡んで来て予定通りはかどらなかったりして、微調整が必要です。
別項でご紹介していますように、「PDCA+s/a」の考え方を取り入れて、「D:実行(Do)」の途中で微調整を計ることになるのです。
多くのビジネス・パーソンの仕事は非定型な業務ですが、マクロ的に見ますと定型的な行動様式になっていることが多いです。それを定型化して、「行動基準」という形でルール化しますと、「D:実行(Do)」の効率が上がります。とりわけ、経験の浅い人には効果的です。
ある会社の例ですが、
◇ 始業15分前には着席し、顧客からの電話対応ができるようにする
◇ 緊急性の高いメールの対応をする
◇ 訪問予定先を、共通の「行動予定表」に記入する
◇ 訪問予定先別に、必要な準備ができているかどうかを確認する
◇ 小物を含め、必要な持ち物が揃っているかどうかを確認する
◇ 9時15分には、訪問先に向かって出発する
というようになっています。
一見しますと新入社員向けの教科書のようですが、特別なことがない限り、ダラダラと社内で作業をしている営業パーソンは、この企業では皆無になりました。ちなみに、この企業では「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを基本行動規範の中で謳っています。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
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