(手すさびの唐辛子スケッチ。↑)
立秋は過ぎていますが、秋の気配には程遠い酷暑が続いています。
ですので、相変わらず外出は控えめで、家の中でぐだぐだしております。
でもってしょうがありませんから、久々「本ネタ」でもと思うのですが。
鳥さんばかりを追いかけて本ネタもずいぶんとご無沙汰です。
2年前の引越しの折、沢山の本を処分いたしました。
ずいぶんと情けない思いを致しましたが、
死んで残してもどうせゴミの山として扱われるものと慰めて、思い切りました。
残した書物は、買っておきながら読まないままであったもの、
読んでいるけど、また読むかもしれないもの、
そしてぼろぼろだけど愛着のある本たち、などであります。
全集本のおおかたは売り払ってしまいましたが(情けないほどの二束三文!)
残しておいたのは漱石全集とカフカ全集。 ↓
そのうち、読まねばと思っております。
さて、すっかり年金生活者となってみると、新刊本の値段の高さが、
あらためて身に沁みるのであります。
かつてはその時の読みたいという気分のまま買い込んでおりましたが、
今やそうも行かず、ためらわずにはいられません。
それに、ゴミ扱いのように始末してしまった長年の蔵書の記憶もまだ新しいですし。
さて、そんなわけで、かつて買い込んで読まずに来てしまった本たちを
少しずつ本棚から引っ張り出しているのですが、
世間様への色気も残っておりますから、新刊本も気になったりするのであります。
ということで、最近ためらいつつ買った文庫本。↓
原田マハの「楽園のカンヴァス」は大変面白く読ませていただいて、
以来ルソーの絵にも何だか親しみを持ちつつ興味をそそられてしまいました。
続けて読んだ「ジヴェルニーの食卓」も面白かったです。
ですので、この「暗幕のゲルニカ」も期待したのですが、
そして期待はずれではなかったのですが、前作と比べるとややあざといというか、
エンタメ系へ上滑りしてしてしまっているかな、という感想ですね。
これに触発されて、スペイン市民戦争の内実ははどうだったのか気になり、
買い込んで読まずに来てしまったオーウェルの「カタロニア讃歌」を読んでみました。↓
「讃歌」と言いながら、叙述されるのは戦争の有様や
共和国側の党派の内部抗争、プロパガンダと策謀など、
いつかどこかで見てきたような悲惨で滑稽で愚劣な状況なのですが、
それでも悲惨ななかでのほんのわずかに見せられる兵士達の人としての品位が
希望を見せてくれると、オーウェルは言いたげであります。
とまあ、こんなふうに、本棚の読まずに来てしまった本たちを引っ張り出しながら、
時折りは新刊本も買いつつ(文庫本ですけど。文庫本だって高い!!)
老境の読書生活を行っているのでありました。
それにしても毎日暑いです!あと少しの辛抱でしょうか。