ごっとさんのブログ

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健康診断の血液検査の結果が出ました。

2014-12-04 13:11:16 | 健康・医療
血液検査の結果が出ましたが、歳の割には異常値がなく一安心です。
会社に勤めていたころ、私の研究室の隣は、少し後輩が臨床検査薬の開発をテーマにしていました。彼は退職後すぐに若くして亡くなりました。彼が現役のころ、いわばライフワークとして取り組んでいたのが、肝機能の検査法でした。

血液検査の結果は、何十項目もの値が出ていて、その数値をもとに臓器が正常に機能しているかを判定します。しかし実は項目によってあらわすことがかなり違っており、単に異常値の有無を見ればよいわけではありません。
例えば尿酸値は、正常とされる値は、尿酸の飽和溶解度に近い値が採用されています。つまり尿酸がこれ以上増えると、水に溶けていられなくなり、結晶が析出する可能性があり、この非常に鋭く細い結晶が神経を刺激して起きる病気が痛風です。もちろん個人差がありますが、尿酸値が少しでも正常値より高くなると、痛風を発症する危険性ありと判断できます。

腎機能も尿素態窒素(BUN)やクレアチニン(CR)がありますが、これらはいわば老廃物で、腎臓がしっかり働いていれば、血液から尿へ排泄されています。ですから血液中にはある程度の濃度しかないはずで、これらが高いということは、主に腎臓か他の臓器の機能が落ちているといえます。

問題は肝機能で、通常GOT、GPT、γーGPTなどがその指標とされています。これらはいずれも肝臓に比較的特異的に存在する酵素の名前です。ですから肝機能が低下すると、肝臓内や血液中に酵素が増えるというわけではありません。肝臓は常に古い細胞が壊れて新しい細部ができる、新陳代謝を行っています。このとき細胞が壊れると、中に入っていたこういう酵素が血液中に出てきます。つまりGOTなどの数値は、どのくらい肝細胞が壊れたかを見ていることになります。肝臓は、食べたものの解毒作用をしていますので、簡単に壊れて新しい細胞ができます。ですから肝臓の細胞がどのくらい壊れたかを見ても、肝臓の機能が正常かどうかはわからないのです。もちろん大幅に(正常値が数十で2000,3000という値)まで高ければ異常ですが、このくらいになればほかの症状が出てきます。結論として血液検査では、肝機能についてはほとんどわかりません。医者もこのことはわかっていないようです。

私の隣の研究室では、肝機能が低下すると出てくる物質はないか、それを簡単に定量できないかをずっとやっていました。実際はそういったものを、現在の他の検査項目と同じように簡便に調べることは難しかったようです。

血液検査などは、基本的に数値を見るものではなく、変化を見るものです。定期的に検査を受け、前回と変わった数値がないかを見ていかないと、正確なところはわからないようです。