ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

アレルギー疾患 花粉症の話

2014-12-26 11:38:17 | 健康・医療
まだ花粉症の季節ではありませんが、私の周りではかなり花粉症が増えているようです。
私の前の職場は、奥多摩の杉林からでる花粉が、風に乗ってちょうど舞い降りる地域だったようで、その季節になると大量の花粉が落ち、車が一面黄色い膜が張ったようになりました。したがって花粉症でない人も、転勤・配属されると2年ぐらいで、花粉症を発症する人が多数いました。幸い私は、退職するまで花粉症になることはなく、たぶんこの年になれば花粉症とは縁なく過ごすことができるでしょう。

花粉症は、IgEが関与するI型アレルギーとされています。くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが、花粉症の4大症状と呼ばれていますが、まれに喘息発作を起こすこともあるようです。花粉は人間にとって異物ですので、免疫系細胞がこれを排除するのは、普通の免疫反応と言えますが、これが過剰に反応してヒスタミンやロイコトリエンの遊離が起きてしまう、いわゆる過剰反応が花粉症として現れるわけです。この原因は花粉だけではなく、自動車の排気ガスなどの環境要因や、遺伝などが挙げられていますが、やはり個々のケースごとに異なり、よくわかっていないのかもしれません。

もう十年ほど前になりますが、私の会社が花粉症の治療薬の開発をしていたこともあり、「花粉症のシンポジウム」を開催することになりました。私はその事務局的な立場でしたので、いろいろ準備をしました。まず会の進行や講演者を決めてもらう、オーガナイザーを当時の日本の花粉症の権威と言われている先生にお願いしに行きました。元千葉大学で、当時は理化学研究所の横浜研究所に在籍されていましたので、鶴見まで出かけていきました。以下はこの先生からうかがった話です。

次回に続きます。
今日はこれから歯医者に行き、帰ってからはこの寒いのに夜のテニススクールに行く予定です。このくらい気温が下がると、ボールが弾まなくなり面白くないのですが、今年最後のスクールですので頑張っていく予定です。

薬の安全性 副作用について

2014-12-25 10:33:46 | 健康・医療
数日前の新聞に、子宮頸がんワクチンの問題が掲載されていました。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因として考えられています。このワクチンが開発され、中高生女子に接種が推奨され多くの人が受けたところ、長期的な痛みなどの副作用が現れて、国が推奨を中止しているというとのことです。
我々薬の研究開発をやってきたものにとって、副作用は常に付きまとう非常に重大な問題で、いかに早く見つけるかが課題となっています。

子宮頸がんは、年間1万人程度が発症し、約3千人が死亡するとされています。特に最近は30代前後の若い人の発症率・死亡率が増加しているようです。これを予防するワクチンが340万人に接種され、そのうち約2500人に副作用が現れ、国の推奨が中止されていると報道されています。この副作用発症率は、私の感じからするとやや高いように思われます。

一般的に薬の副作用は、1万人に一人ぐらいの割合で出ることが多いとされています。なぜこのような割合になるのかは、よくわかっていませんが、おそらくこの程度の割合で異常体質の人が存在するのでしょう。異常体質と言っても、病気などではなく、ある特殊な薬に対してのみ通常の何倍も吸収が良かったり、排泄されずに体内に長時間とどまってしまうといった点だけが、普通の人と異なっているのです。

こういった薬の吸収・分布・代謝・排泄という点は、個々の人によって大きく異なり、しかも医薬品の種類によって特異的に出ることが多いため、副作用の予測は全くできません。もちろん動物実験では発見できず、臨床試験で人に投与しても、数百人しかできませんので、この段階でわかることもありません。実際に医薬品として使われるようになり、数十万人という規模になって初めて数十人に副作用が出てしまうのです。

この副作用が重篤なものであれば、薬は販売中止になりますし、それほどひどくなく一過性の物であれば、薬の使用注意書きに副作用が出る可能性があることを追加する程度で済むことになります。
ウイルスワクチンに戻りますが、このときの副作用については全く分かっていません。ワクチンは基本的にタンパク質ですから、体が異物と認識して、過剰に反応してしまう可能性は常にあります。発熱や痛みといった形ででても、通常は一過性で数日程度で治るはずです。

こういった副作用を予測することも、防ぐこともできませんので、結局は接種するかどうか本人が決めるしかないような気がします。

新しい治療薬 抗体医薬

2014-12-24 10:50:42 | 
私がずっと開発しようとしてきた薬は、いわゆる低分子化合物で、従来すべての薬がこのタイプでした。薬のターゲットは、受容体や酵素というタンパク質ですので、このタンパク質自身を薬にするという研究が行われています。
技術的には、動物細胞の組織培養が可能になったこと、遺伝子組み換えにより目的のタンパク質を生産させることが可能になったこと、タンパク質の精製技術が進み簡単にきれいなタンパク質を得ることができるようになりました。このように多くの技術を集約することによって、タンパク質という非常に扱いにくい物質を医薬に応用できるようになりました。ここでは抗体医薬について書きます。

抗体とは免疫系の一種で、免疫グロブリンという糖たんぱく質で、アルファベットの”Y"のような形をしています。このY字の広がった部分で異物を認識します。当然すべての動物はこの抗体を作り出しており、異物1種に対して一つの抗体が対応するという、いわば無数の種類の抗体を持っています。これを人工的に作って、医薬として使おうというのが抗体医薬で、抗がん剤を目指しています。

このブログでも書きましたが、がん細胞というのは、患者さん本人の細胞ですので、免疫システムが異物と認識できず、免疫によって殺すことはほとんどできません。そこでがん細胞を認識するような抗体を人工的に作ってやるわけです。がん細胞はどこのがんであっても共通の、がん特有の細胞表面を持っています。これを認識する抗体を投与すると、その人自身のエフェクター細胞と呼ばれる、異物を殺して処理する細胞が後ろにくっつきます。この細胞は抗体が結合した部分を殺すという働きをします。

このようにがん細胞と結合する抗体を投与すれば、患者さん自身の免疫の力によって、がん細胞を殺すことができるわけです。
現在かなり多くの抗体医薬が開発されようとして、臨床研究が行われています。すでにハーセプチンという、転移性乳がん治療薬が実際に使われています。
抗体という抗がん剤は、メカニズムとしてもがん特異的のはずで、ほとんど副作用のない抗がん剤として期待されています。

これらの抗体医薬が、どの程度の治療効果を示すのかは、私もよくわかりません。しかしこういった免疫系を利用する治療が、これからの医薬としては可能性が高く、がんだけでなくウイルス性疾患や、アレルギー性疾患などの治療薬になるのではと期待しています。

年賀状 雑感

2014-12-23 12:26:39 | 日記
毎年年賀状の準備を早くしようと思っているのですが、今年も今やっています。これまでに何通かの喪中欠礼ハガキが来ました。ほとんどが知人の親が亡くなったというもので、80代後半から90歳以上と大往生です。しかし今年は、従兄弟が二人亡くなりました。少し上の70代前半と私と同い年でした。従兄弟は葬式にもいきましたので、それなりのお別れができました。残念だったのは、大学時代の同級生がなくなったことです。もう10年以上もあったことがなかったのですが、医者の不養生だったのかもしれません。

私の同年代の知人の親は、さすがにほとんど亡くなってしまいましたが、一人103歳のお母さんがいます。この世代は大体が長生きだったようで、私の母も89歳まで生きました。
この親の世代は、戦争前後を生き、栄養が不十分な時代を経ていますし、我々団塊の世代も子供のころ戦後の食糧難の時代に生きてきました。このようにある時期に、飢餓とまでいかなくても不足の状態を過ごすことが、健康で長生きできる要素のような気がします。

私の持論は、「人間は健康な状態を保つようにできている」ですが、これはいつ来るかわからない飢餓状態に備えて、必要なものを備蓄するシステムが基本です。ですからどこかの時期で実際に不足する状態があってこそ、このシステムがしっかり構築され、その後健康な状態が保たれるのだと思います。私より20歳ぐらい下から、私の子供たちの世代は、いわゆる飽食の時代に育っており、このような経験は全くないはずです。ある意味、健康な状態に保つシステムができる機会がないわけです。

私の親の世代の戦争の犠牲にならなかった人たちが、平均寿命を延ばすことに貢献してきました。それも我々の世代までのような気がします。つまりあと20年ぐらいは、平均寿命は延びていくかもしれませんが、そのあたりで止まるような気がします。これからは、医療・延命の進歩と、健康な状態を保つシステムが不完全な人たちのどちらが強いかになってきそうです。なんとなく高齢化問題は、自然に解決しそうな気もします。

以上のことは単なる私の妄想ですし、他の要素が非常に多いため予想できないと思います。
書いているうちに、内容が違ってきてタイトルの意味がなくなりました。今日はこれから年賀状を仕上げようと思っています。

地球温暖化と炭酸ガス

2014-12-22 13:35:39 | 自然
このところ寒い日が続いていますが、先週夜のテニススクールへ行ったら、あまりにも気温が低くボールがほとんど跳ね返りませんでした。震えて車に乗り帰るとき外気温を見たら、なんと0℃になっていました。それでも吹雪に見舞われている北国に比べれば、昼は日差しがあるだけましかもしれません。

まだ12月というのに、これだけ寒いと本当に温暖化が進んでいるのか疑いたくなりますが、地球の気温は上昇しているようです。この原因は人間が排出する温暖化ガス、特に炭酸ガスとされていますが、私はかなり疑問に感じています。この分野はあまりわかりませんし、ICPPの報告書を読んでいるわけでもないので、単なる私の妄想かもしれません。
事実として、地球の気温が徐々に上昇していること、大気中の炭酸ガス濃度も上がっています。だからといって、炭酸ガスが原因で温暖化が進んでいるというのはあまりにも短絡的のような気がします。

具体的な数値はわかりませんが、炭酸ガスの大部分は海水中に溶けていると思われます。気体は温度が低いほど液体に良く溶けます。つまり海水温が上がれば、炭酸ガスの溶解度が低くなり、大気中に放出されます。ですから地球の温度が上がれば、当然炭酸ガス濃度も上がるわけで、どちらが先かという問題となります。
大気中の炭酸ガス濃度は、上がって400ppm程度、つまり0.04%と非常に少ない気がしますが、実際はかなり大量になるのです。

地球上には炭素の大循環という現象があります。これは大気中の炭酸ガスが、植物の光合成によって植物体となり、これが食物連鎖に従って動物の体になります。この動植物が死ぬと、微生物などによって分解され、また炭酸ガスに戻ります。現在は北半球では、常緑樹以外は葉を落とし冬枯れの木になっています。しかし春になれば一斉に芽吹き、鮮やかな新緑となります。この新緑はすべて大気中の炭酸ガスが、固定されることによってできています。これが世界規模で起きるわけですので、空気中の炭酸ガスが少なくなるはずですが、大気中濃度はほとんど変化がないようです。つまり炭素の大循環に影響されないぐらい、大量の炭酸ガスが存在しています。これに比べれば、人間が排出する量などたかがしれているような気がします。

温室効果ガスとしては、水蒸気がもっとも効果が高いとされていますが、水蒸気は無視されて炭酸ガスだけ議論されるのもおかしい気がします。
その他、地球は完全な閉鎖空間ですので、炭素の総量は永遠に同じです。この観点からも炭酸ガス問題は、本質的でないような気がします。この点は省略しますが、地球温暖化は太陽活動などの影響であり、炭酸ガスが原因ではないだろうと考えています。