内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

パリ・ナンテール大学での日本哲学シンポジウム初日

2018-11-19 23:00:08 | 哲学

 今日は、パリ・ナンテール大学でのシンポジウムの初日。朝一番のTGVでパリに向かう。東駅からメトロ7番線でオペラまで移動し、RERのAuber 駅からA線で大学に向かう。
 ちょうど朝のラッシュ時間で、最初に来た RER には乗れなかった。そういえば、パリに住んでいたころは、勤務校に通うときにそんなこともあったなと思い出した。ストラスブールに移って、そんな経験はまったくなくなったから、すっかり忘れていた。ちょっと懐かしい気持ちになったけれど、今さら戻りたいとはさらさら思わない。
 10時過ぎから、日本仏教の大家でコレージュ・ド・フランスの教授のジャン・ノエル・ロベール先生による開会講演。道元における哲学的な言説について。
 休憩を挟んで、時代は近代に飛び、法政大学教授の安孫子信先生の西周についての発表と明治大学教授合田正人先生による戸坂潤についての発表。これで午前のプログラム終了。
 昼食後、午後の部は、まず、数年前に道元についての博士論文で哲学博士号をとり、現在高校とパリ第一大学で哲学を教えているルーマニア出身の若手研究者による道元における知の継承についての発表。つづいて、昨年、九鬼周造についての大変優れた博士論文を書いた若き俊秀による荻生徂徠についての発表。これは主催者からの要望に応えるための選択だっと後から聞いた。そして、締めは、Ecole pratique des Hautes Etudes のアラン・ロシェ教授による本居宣長の『直毘霊』を主とした発表。
 これで今日のプログラムは終了。午前中の聴衆は、パリ・ナンテール大学哲学部の学生たちを主として、三十数人。午後は少し増えて、多少の出入りはあったが、多いときは五十人くらいいたと思う。
 初日終了、主催者の教授と今日と明日の発表者たちでパリに移動し、オペラ界隈の日本レストランで会食。さきほどホテルに着く。
 これから明日の発表の仕上げに取り組む。といっても、実は、行きのTGVの中であらかた結論は書き上げ、日中も発表を聴きながら、思いついたことを iPad で打ち込んでいたので、あとはそれを最終原稿に取り込み、全体を読み直せば、一応完成である。あとは発表の場でのアドリブでいいかなと思う。初日である今日、聴衆の様子を最後列の席から観察することもでき、その分明日はやりやすいかなと思う。