内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

大学閉鎖初日、オンライン授業ぶっつけ本番

2020-03-16 23:59:59 | 講義の余白から

 今日月曜日が大学全面閉鎖初日。日本学科のすべての授業はオンライン授業で行われた。先週前半にはこんなことになるとはまったく想定されていなかった。木曜日夜に大統領から学校閉鎖が宣言されてから、すべての教員が今日に間に合わせるように休日返上・不眠不休でオンライン授業用に教材を作り変えた。そして今日、ぶっつけ本番で皆授業を行った。
 授業が終わったらすぐに報告してくれるように頼んでおいた。報告を見るかぎり、大過なくできたようだ。協力的な学生たちに助けられたという報告をしてくれた教員もいる。みんなほんとうにありがとう。
 先週までは毎週教室で顔を合わせていた学生たちと、何の予告も練習もなく、心の準備さえなく、PCの画面と音声だけを媒とした授業でコミュニケーションを図るのは容易ではない。それは学生たちもわかっている。こんなことになったのはいっさい教員たちのせいではないこともわかっている。だから自分たちも積極的に授業に参加して少しでもオンライン授業をよりよいものにしようという意思が学生たちの間で共有されようとしている。教員だってみんな最善を尽くしている。
 こんな状況はもちろん前代未聞だ。ここまでしなくてはいけないのか、という声もある。だが、今批判したところで、どうにかなるものではない。
 確かに、技術的な問題はある。閉鎖を受けて接続数が激増し接続が安定しない。特に、高速回線に繋げない学生たちは、画像や音声を良好な状態で受け取れない。自宅に接続環境がない学生だっている。そのなかにはとびきり優秀な学生もいるのだ。こんな不公平を解消する対策を今すぐ考えないといけない。
 今日の私の授業も、まさにぶっつけ本番のオンライン「ライブ」授業だった。できるだけ丁寧にパワーポイントを作り、それだけでも話の筋は見えるようには組み立てはしたが、一連の補足事項は口頭のみだ。それらすべてを文章化して表示するスライドを用意するのは無理だった。要点と重要語彙だけを画面に映し共有した。
 明日の授業は全部フランス語だし、パワーポイントはすでに完成したものがあり、最後の見直しと若干の修正と増補を行えばよい。明日は ZOOM を使う。今日使った Jitsi Meeting より安定しているようだから。でもぶっつけ本番であることにかわりはない。