内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

日本に旅立つ学生に

2021-09-03 23:59:59 | 雑感

 6時15分から7時55分までの1時間40分で15,7キロ走る。走り始めから体がずっと重く感じられ、最後までペースを上げることができなかった。かといって、脚に疲れを感じたり、息が切れたりということはなく、同じペースでなら2時間走り続けることもできそうではあった。
 8月中旬に見られた体組成計の数値の興味深い乱高下は下旬にはおさまり、ここのところ数値がきわめて良好なレベルで安定している。5月半ばに立てた目標数値はすべて達成してしまい、体組成計を見るのはそれらの数値が維持されているかを確認するだけになってしまった。ちょっとつまらない。
 午後、今月25日に日本へと旅立つ学生とカフェで2時間ほど歓談した。来週にはストラスブールのアパートを引き払うので、その前に会ってお礼が言いたいというメールを先週受け取っていた。彼はJETプログラムに採用され、ある県の職員としてフルタイムで働く。契約は一年だが、仕事ぶりによっては更新もありうる。
 学部一年生のときから成績は常に断然トップで、私が指導教官だった卒業小論文も学部の水準を完全に超えており、修士論文として発展させるに値する出来だった。日本で暮らしたことがあるわけでもなく、家族に日本人がいるわけでもないが、日本語能力はずば抜けて高い。特に文章表現力は卓越している。
 それにしても、JETプログラムに採用されるのは、ほとんどが修士以上であり、今年は7つのポストに対して60人の応募者があった中で学部卒業生が採用されたのは珍しいことである。
 採用面接の準備として、遠隔での論文指導などはすべて日本語で行った。面接日前日に彼からメールが来て、助言がほしいと言う。面接は遠隔で行なわれるので、それに応じて事細かに注意事項を書き送った。以下はその要点。
 自分が話すときはカメラを見る。相手の話を聞くときは画面を見る。実際に面接会場にいるときと同じように、姿勢はよくし、声は大きく、明瞭に話す。質問が聞き取れなかったときは、躊躇うことなくもう一度繰り返してくれるよう礼儀正しくお願いする。答えるのが難しい質問に対しても、正直にそう応え、難しい理由を説明する。自信を持て。そして謙虚であれ。
 別れ際に、「もし私がこの年末年始に一時帰国することができたら、どこかで会おう」と約した。彼の日本での活躍を心から祈念する。