今日、昼過ぎに1時間15分ジョギングした以外は、ずっと家に籠もりきりで明日の授業の準備と修士論文の口頭試問の際のコメント作成に明け暮れた。
この修士論文のおかげで、その中に引用されている日本の太宰治研究者たちの論文や著作に触れることができたのはありがたいことだった。
木村小夜の『太宰治翻案作品論』(和泉書院 2001年)の次の一文は、簡潔かつ見事に太宰作品の勘所を捉えていると思った。しみじみと共感せざるを得ない。
幸不幸、孤独の出処は、善悪の因果よりもっと普遍的で根本的なもの、つまり、人それぞれの生き方や人生観の相違によって生まれる哀歓にある。(13頁)