6時23分から7時35分までの1時間12分で12キロ走る。今日は2週間ぶりにアシックスの GEL-1090 を履いた。これは7月のセール期間中に型落ちで買ったものだが、9月1日から昨日まで履き続けたアシックスの GEL-NIMBUS 23 とは明らかに設計思想が異なり、靴底はかなり硬めで、接地の際の反発力は比較的小さい。しかし、靴底のクッションが前後に分かれており、土踏まずのあたりが少し抉れた形状になっていて、つま先での蹴り出しに力が入れやすい。長距離にはあまり向いていないかもしれないが、ピッチを上げて走ろうという気に自ずとしてくれるところがあり、気に入っている。
午後、来年5月末までの一年弱の予定で経営学院に留学してきた日本人学生と会う。2年前の春に短期研修で来たことがあり、そのときに一度会っている。先日、会いたいというメールがあった。2時間ほど大学付近のブラッスリーで歓談する。
彼は東京の私立エリート大学の四年生だ。昨年秋からの留学が決まっていたが、コロナ禍で中止となり、就活に専念し、一流企業への就職も決まっていた。ところが、この6月になって大学から、昨年度中止になった留学を再度希望するものは許可するとの通知を受けた。そこで一週間考え、なんと、人も羨む就職先を蹴って、留学を選んだ。
両親やまわりに反対されなかったかと聞いたら、少し驚きはしたようだが両親も反対はせず、友人たちはむしろ面白がっていたという。ここであっさり就職して自分の型を決めてしまうより、もっといろいろな人に会い、いろいろなものを見てから自分の将来の構想を練りたいという。
コロナ禍で多くの人が先の見通しが立たずに煩悶している中、見上げた志だと感心する。頭の回転もとても早く、私の話に対する反応も実に的確で、話が弾んだ。
私たちがテラスで話に熱中していると、「あのぉ、日本人の方ですか」と通りがかったフランス人男性が日本語で話しかけてきた。かつて政治学院の学生として京都に一年間留学したことがあり、また近い将来に日本に行き、働きたいという。JETプログラムの話も出た。何か役に立てることがあるかもしれないから、いつでも遠慮なく日本学科に遊びに来てくれと伝えた。
日本人留学生の彼には、私の月曜日の授業に来週から来てもらうことにした。日仏の学生同士がお互いに刺激し合えるような場所の一つにこの授業がなればいいなと思っている。学生たちを「繋ぐ」こと、それもまたそれが可能な場所で働いている教師の大切な役割の一つだと思う。