こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

EPO 「音楽のような風 (ビクターヴィデオテープCM曲)」'85年8月5日発売

2009-09-09 23:45:16 | 音楽帳


初めてCMで、この「音楽のような風」を聴いた瞬間に、この曲が一発で気に入ってしまった。
なおかつ、姿を変えたストレートヘアの、美しいEPO(エポ)が立っていた。

本当に、曲名と言い、詞といい、曲もいい、素晴らしい、そうすぐピピッと来た。

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それは、EPOさんの、はめられてきた枠への反発、そこからの脱出、自由に向けた開放の一歩だった。

EPOは、日本女子体育大学にも通っていたし、ということで、レコード会社がやたらと「元気」「スポーティー」「明るい」というイメージ作りを行ってきた。
かわいそうに、音楽雑誌にも、Tシャツに短パンで走っている写真だの、かなりちぐはぐな衣装を着せられていた。

かたちんばは、「はっきり言って」面白くも何とも無い、と思っていたが、フジテレビで毎週土曜「おれたちひょうきん族」という「お笑い(? 全然笑えなかったんですが)番組」があり、その初めや終わりのテーマ曲がEPOだった。(「DOWN TOWN」とか「土曜の夜はパラダイス」とか)

のちのち、EPOさん自身が告白していたが、それらのイメージ付けの一切が、イヤでイヤでしょうがなかった、という。

僕自身も、そういう「元気」「スポーティー」「明るい」という人種が吐き気がするほど嫌いだったので、当時の彼女の存在はうっとうしく感じていた。

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その「イメージ破壊」の一発目が、この「音楽のような風」だった。



レコード会社は、教授の設立した「MIDI(ミディ)レコード」からである。

ここから、素晴らしいシングルの応酬で、EPO自身が「自分らしく・存在する」ということへの道が開かれていった。

後の1986年に発売されたアルバム「PUNP!PUNP!」も、自分はまっすぐな気持ちで、発売されてすぐ買って愛聴していた。
明らかに、この人は、自分らしくあろうと、変化しようともがいている、という事を、このシングルやアルバムから、はっきりと読み取ることが出来た。


【「音楽のような風」 By EPO】

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EPOさんは、あらゆる面で、娘の彼女を否定的にしか捉えてくれなかった母親との葛藤があり、表面的には「キレイなおねえさん」でありながら、精神的・内面的な悩みを抱えながらの音楽生活だったという。

そんな彼女は、後に、セラピストの資格を取得し、カウンセリングを行なうカウンセラーや、矢野顕子さんの「出前コンサート」のように、少人数でも「EPOさんの歌を聴きたい」という投げかけに応じて、小さなコンサートを開いたりという活動が中心になっていく。
それは、自分への癒しであり、母親からの離脱であり、精神の開放へ・・・という流れだったのだろう。

***

数年前、営業をしている頃、珍しくFMを聴いていたら、EPOさんの番組がやっていて(それは地方局だったかもしれない)、その語り口調の優しさと、まっすぐにモノを見つめて語る姿勢が、とてもピュアでナチュラルに感じることが出来た。

そんな今では「自分」を取り戻すことが出来たEPOさんの、初めての「突破口」が、この自然で素晴らしい曲「音楽のような風」だったのである。
コメント (2)
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