こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2011年7月28日 木曜日 夏のフェイバリッツ・27 イーノ「リザード・ポイント」'82.5

2011-07-28 23:00:00 | 音楽帳
1982年4月に高校生になってからの自分には、中学3年の冬から春も経て、この1982年は、宝モノの宝庫だった。
さまざまなことが起きた。

坂本龍一の師匠=ブライアン・イーノに夢中だった1981年以降のこと。
1982年4月ごろに、兄が新譜LPレコードの「オン・ランド」を輸入盤で買ってきた。
自分もカセットテープに落としてもらおうと、話に行くと「今度のイーノはすごいぞ。リズムもメロディーもみじんもない。」そう言われた記憶がある。

そのときの兄の「すごい」というのは半笑いが込められていて、「唖然」というのと同時に「どう手に付けたら良いか?どう位置付けたら良いか?わからない」といった戸惑いだった。

***

当初「エンプティ・ランドスケイプ」(からっぽの風景)という仮タイトルだったLPレコード。
結果、「オン・ランド」という名で発売された。



兄に輸入盤のLPレコードを借りて、聴いて、兄が言おうとしていることが分かった。

この作品は、空港のための音楽、そして、ハロルド・バッド、ララージとの共作を経た「AMBIENT4」の作品。



日本では5月に国内発売された。

ミュージック・マガジンでは小嶋さちほさんがレビューを書いていたが、彼女にとっては、かつてのロキシー・ミュージックでグラムロック的な化粧と激しい衣装をまとったイーノが好きで、まあそれがパンクに影響を与えたのは事実だったが「たら~もわ~というテープ・コンポジションがひたすら続くが、自分のように環境といっても貧しい部屋の中で聴くには、情景自体が合わない」と言って、過去のイーノが好きだが、もう戻れないんだろうね・・・といったことを書いていた。

***



まさに、小嶋さんが言うように、このアルバムは彼が録りだめたさまざまな自然の音を加えながら、大地・陸地とそれを取り巻くアトモスフィアを表現しようとしていた。

ボク自身は聴きながら、ゲルニカのような苦しさはなかったが、得体の知れない捉えられない音楽のため、繰り返し繰り返し聴いた。

ようく聴くと兄や小嶋さんが言うのは、あくまで第一印象で、次第にメロディやあるいはアトモスフィアが示す方向が見えてきた。

不思議なレコードではあるが、あれから30年。
当時の自分が夏に向けて聴いていたのもあり、夏になるとこの「オン・ランド」を取り出す。
1つのあいまいな空間に漂うことが、このアルバムでは体験出来る。

A面1曲目の「リザード・ポイント」はまさに大地の音と人間が住む都市空間のもやもやした感じをよく表現している。
ここでは聞き取りづらいが、下の方でベースを弾いているのは、ビル・ラズウェルである。

A面1曲目「リザード・ポイント」~ 2曲目「ザ・ロスト・デイ」
コメント
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