こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2015年1月5日 月曜日~6日 火曜日 仕事初め・・・ハートビート・魂の響き・ほのかな光が輝く方向へ

2015-01-06 22:12:36 | 音楽帳

元旦、兄がプレゼントしてくれたネコの日本画のポストカード。
堆積して層と成した部屋各所に点在した“ゴミの山”。それを少しばかり崩して“そうじ”をした。
その層の中から「そういえばこの本読んでいたなあ~」という書が、ほこりをかぶった中から出てきた。
一昨夜からパラパラめくり、昨日・仕事初めの朝から、電車の中でページを開き出している。

その本は小谷野敦(こやのあつし)さんの「退屈論」。
本はそれなりに傷んでいるが、巻末のページにエンピツで走り書きされた文字は「2002.11」。その頃読んでいたのか。。。
この2002年4月に発売された初版本だが、確かどこかの古本屋さんで発見し飛びついて買って読んだような記憶。ブックオフでは無かったと思う。
小谷野さんとの出会いは、1999年作品「もてない男」を読んだことにはじまっている。

本を開くといろんな箇所にエンピツでアンダーラインが引かれている。
当時36歳の自分が、それだけ熱中して読んだ形跡が残る。その箇所を再度読んでみると、改めて今の自分に響く発見があって興味深い。

アンダーラインの一部を写経。この文章は2002年でも、今にも役立つであろうから。

『・・・私は、何人かの有名文化人が、現代日本の状況を抽象的な原理で総括し、これに原理的に対処させようとしていることに、危惧を抱いている。
あるいは現代の日本に、社会の根本的な変革を目指そうとして、その夢に他人を引きづりこもうとする人々がいることを憂慮している。
彼らは、「自由」とか「公正」とかいった理念を、あたかも唯一神のように信奉し、これに反対する者と議論もしようとせず、「反動」といったレッテルを張りつける。それは人を「非国民」と呼んで排除する行為と、本質的に同じものなのだ。
(中略)日本社会はもっと速度を落とすべきである。退屈のあまり、ラディカリズムの煽動に乗ってはならない。』

『・・・大きな原理をもって世界を説明し、やはり大きな原理の現実への適用によって一挙に救いを得るという考え方に多くの人間が取りつかれた時代だった。社会主義をはじめとする社会変革の思想もそうだったが、フロイトの精神分析が流布させた、幼児期の抑圧された記憶を思い出すと一挙に神経症が快癒するといった類の物語がその最たるものである。
それはほとんどホラ話の類だ。
私たちがまず捨て去るべき習慣は、何らかの原理によって生や社会ががらりと変わるといった考え方なのだ。』(小谷野敦)


まさに今、自分の心にあるひだの凸凹。でっこみへっこみにはまる。
そう、何もかもが芝居であり、何もかもがウソなのだ。
そんなことは今更全員周知のことで、何もかしこまって言う必要のないもの。もう誰もが見抜いてしまったモノ。
それに翻弄され続け・三文芝居に共演することにも飽き疲れてしまい、自分はすっかり舞台から降りてしまっている。

まあ、それでいいのだ。舞台なんか上がらないでも良いのだから。
ゆっくりと舞台裏で着ぐるみを脱いで、コカコーラでも飲みましょうかねえ。

本を読むかたわら。今日聴いた音楽としては、ここ数週間聴いている坂本龍一教授の2013年7月発表の作品。テイラー・デュプリーという方とのコラボレーション。
この作品を知ったのは、昨年10月あたりだった。
“あいまいもこ“としたサウンドスケープは、特別なひっかかりを持てぬままいたのが実際。
しかし、この1月に入ってから「Curl To Me」という12分に及ぶ曲が異なる響きを持って、聴こえてきた。昨日、朝になって、音の波と同調した。

かつて坂本さんが9・11を発火点に制作発表した「キャズム」という名盤にあり、好んで毎夜聴いていた『only love can conquer hate』の延々たる水の流れを思い出す。

この曲「Curl To Me」には、かつて一緒に暮らしていた愛猫コチャコが病床についたとき、子守唄として聴かせた「ひかりのふるさと」を歌っていた天女・青葉市子さんが参加している。
青葉さんのハミングが遠くに聴こえる。そのキューキューというような風な声のアクセントは、まるでシガー・ロスの「スヴェン・ギー・エングラー」と近き響きをしている。
ついネットで読んでしまった「青葉市子さんの心音が入っている」に引っ張られて、そればかり気にしていたが「なあんだ、聴こえないじゃないか。。。おおげさだよ。」そう思っていた。

昨朝電車の中でこの曲を聴いたのは、たぶん十何回目かである。だというのに、昨朝初めて曲の前半で、心臓のドック、ドック、という音が耳に聴こえてきたのだ、初めて。
なぜ、それまで聞こえていなかったのか?では、なぜ今朝、その音が聞こえ出したのか?
mp3プレイヤーの低音(ベース)を強調したモードにしたのは、何も昨朝ではなく、相当前のことである。理由が見当たらない。

心音が聞こえてくると、再度シガー・ロスの「スヴェン・ギー・エングラー」と収録されたアルバム「Agaetis Byrjun」のジャケットの胎児を想起し、YMOの「LOOM(きたるべきもの)」や坂本&デヴィッド・シルヴィアンの「体内回帰」を同時に想い出した。
なぜYMO?と言えば、「LOOM」のテンポは3人の脈拍数の平均値を用いていることによる。



■坂本龍一&テイラー・デュプリー(With青葉市子)「Curl To Me」2013■

一説には、音楽というのは脈拍や心音のテンポに近いほど、音そのものが抵抗なく人の体内に染み込むという話しがある。どこで知ったか忘れたが、そう言った人が居た。これは自分もかなり真理に近いものと思っている。

★1月5日のインターFMより 耳に響いた曲・プレイリスト★
09:54 「WHO WILL YOU RUN TO」 HEART
10:23 「GIRLS ON FILM(グラビアの美少女)」DURAN DURAN
10:33 「BLACK OR WHITE」 MICHAEL JACKSON
10:56 「I'LL GO CRAZY IF I DON'T GO CRAZY TONIGHT」 U2
11:52 「SONIC MANIC」 木村カエラ
13:21 「アルクアラウンド」 サカナクション
13:25 「NEW」 PAUL MCCARTNEY
13:52 「ENDLESS LOVE」 DIANA ROSS & LIONEL RICHIE
14:47 「FOREVER」 HAIM
15:11 「OUR HOUSE」 MADNESS
15:32 「TAINTED LOVE」 SOFT CELL
16:32 「OB-LA-DI, OB-LA-DA」 BEATLES
17:44 「ROCK THE CASBAH」 CLASH

★1月6日のインターFMより 耳に響いた曲・プレイリスト★
09:30 「YOU'RE ONLY LONELY」 J.D. SOUTHER
09:44 「RUNAWAY」 THE CORRS
09:48 「YOUNG FOLKS」 PETER BJORN AND JOHN
コメント
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