こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2016年3月27日 日曜日 「にちようび」

2016-03-27 12:20:29 | 音楽帳

テレビを視なくなってもう何年も経つ、と言った。
なぜ再度興味を持ったか。今は、テレビという箱(というより板?)じゃなくても、インターネット上でテレビを視られる。
そこで昔と変わらないタモリ倶楽部の姿や、NHKの「ドキュメント72時間」などに出会い、じぶんを救うもの・生きるすべとなるものは”まだここにある”と思った。

テレビ箱は、点けるとこちらの意志と関係なく、自動的にひたすら流れて行ってしまう。
いっぽうインターネット上で視るテレビはこちらから”見に行っている”。
だからと言って、どちらが良くてどちらが悪いとも言えない。ラジオはずっと流しているし。

昔「テレビばかり見ていると馬鹿になる」と子供は言われた。それはある見方では正しい。
この言葉が違うのは、「テレビばかり」という箇所で、今は何も箱としてのテレビじゃなくても色んな方法で見られる。
むしろ「テレビばかり」のテレビの文字を入れ替えると、よりいっそう事実に近い。

「○○ばかりしていると馬鹿になる」が正しいのかもしれない。
○○に入るのは、テレビのみじゃなく、ネットやゲーム・・・あるいは仕事、果ては思考だったりセックスだったり。要は、何でもいい。忘我できるものがあるのは良いけど、そればかりやってバランスを欠いてしまうことを指す、と解釈する。

***

テレビには過剰な演出があったり、あたかも現実という割には映像によって歪曲されることが多すぎる。それが視なくなった一つの理由でもある。
これは事実だろう。スポンサーが居て、1つの番組に編集しなければならなかったり、意図を伝えたかったりした際に夾雑物が混じる。

ふりかけられる調味料がさじ加減次第で全体変わってしまう、という点では何事にも通じるが、象徴的に見えやすく語りやすいのが「テレビ」なのだろう。
料理と同じで、ほんの少しの味の差が全体を決定させてしまう結果がある。

これは絵を描くこともそうで、それを細やかに語った一例は大竹伸朗さんの著書にある。絵を描く過程で、いつのまにか自分が自分をダマしにかかる境い目が来るが、それをどう振り切るか?といったプロセスは実にリアルで示唆に富む。

***

今朝。
ねむりつかれて目を覚ます。外はどうやらくもりのようで、室内の照度は低い。
室内は相変わらず汚いな、と思う。でも、どうやらこれが一応目の前の現実。それを片づけるには容易でなく、少しやっては疲れてしまい、外に旅立つ。そんなことをもう何十年もしている。

数十分前に目醒めはしたものの、ダルくて横になって、ラジオを小さいボリュームで点けながらうとうとしていた。
今日は彼女に会えるだろうか。連絡をしようとしながら躊躇し、外に出る時間までに何をして、何をしないか、を考えよう。
ふだんは何でもやり過ぎなのに、今日はずいぶんご立派で・計画的ですな、と自らに言う。

***

現実、とよくクチにしてしまうことが多いが、現実はひどくウソくさい、そう感じることが多い。
それを突き詰めていくと何が本当か?本当とは何か?などと思考のスパイラルに入る。
現実、と言っても、テレビではない実社会ですらウソくさい場面が、対峙せざるを得ない仕事場や生活の様々な場面に登場する。

戦下の現実を基準にするとすべては幸せなものだ、という認識もあるが、
一方ではそういったことを除いても、目の前で拭い難い事実に面することもある。歩いて出会う老若男女、日々出会ういろんな人の生きざま。

仕事に就いていない人から見える働いている人の姿。
病気の人から見える健康な人の姿。
基点が異なれば、世界はまったく別の姿に変貌する。

***

きれいごとを抜かしたくもないが、ひどく「現実的」になってもいけない。その頃合い。
じぶんと周囲の世界が、国とか経済・社会とか世界なんて視えない広さにコトを広げざるを得ないとき、途端に足元がわからなくなることがある。

そんなとき、好きなブログによく訪問する。さじ加減やバランスにおいて学ぶことが多い。
それらの人は別段”世間”的に有名でもなんでもないけれど、教えられ、時に励まされる。

日曜日がいろんな顔をしてくる中、今日は憂鬱なほうかもしれない。日曜日がよく見せる表情。
大貫妙子さんのこの記事は、1984年11月の雑誌「LOO」に掲載されたもので、よくこのページをめくる。

浮かない日曜日。
そう言ったらおしめえよ、といった気分調子の日には、こんな静かな世界を基調にすればいい。

■Steve Hiett(& Moonriders) 「Blue Beach - Welcome To Your Beach」1983■


コメント
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