河川湖沼は海と違って区域が狭くて水産資源(魚の絶対量)が乏しく、かつ採捕者が多いため直ぐに資源が枯渇しやすいので漁業権を免許された漁協には増殖が義務づけられています。
それでは、増殖にはどのような方法があるのでしょうか?
増殖と言うと、直ぐに頭に浮かぶのが種苗放流ですが、この他に漁獲量の制限(保護区の設定や漁獲数の制限など)や生息環境の整備(産卵場造成や隠れ家の整備など)、河川の連続性の確保(海や下流域からの遡上や降河をしやすくして天然遡上を増やす)といった魚を保護するための方法もあります。
成魚放流
増殖方法の中で簡単で結果がすぐに目に見えるのは種苗放流です。
例えば1トンのアユ種苗(1尾10g)を放流して、その内7割が生き残って1尾100gに育って、その7割が釣れるとすると、放流尾数の半分が釣れることになり5トンの漁獲量があるわけですから、多くの漁協が安定的な結果が得られるこの方法に頼ってしまっていました。
しかし、最近のアユを例にとってみると、冷水病やカワウの食害によって思うような漁獲量が確保できなくなって入漁券収入が減少して次年度の放流数が減る、放流数が減るから釣れない、釣れないからさらに入漁券が売れないという負のスパイラルに陥っている漁協が増えてきてしまいました。
他の増殖方法や水質浄化や環境整備なども平行して行っていれば、これほどひどい状態にならなかっただろうという声も聞こえてきて来るようになりました。現に天然遡上を増やす手法の導入や瀬と淵の造成、河川への石の投入、カワウからの隠れ家造成、水質浄化などに力を入れ始めた漁協も出てきました。
そして、もう一つ気がかりなのが遺伝子の攪乱です。種苗放流に、その河川にはいない遺伝子の種苗を放流した場合、地付きの種苗と交雑して遺伝子が攪乱されないかという心配です。
以前放流されていた琵琶湖産のアユは、産卵時期が海産アユよりも早いため交雑出来ませんでしたし、産卵・孵化して海にたどり着いても環境の違いから仔魚が育たなかったため遺伝子の攪乱は引き起こされませんでした。しかし、最近は湖産アユが冷水病に弱いと言うことで放流が減り、利根川水系以外の海産アユや交雑された人工種苗が放流されたりしていますので、これらに問題はないのかと言われています。
アユの養殖
また、渓流魚にも同じことが言えます。群馬県ではヤマメは吾妻の地付きヤマメを、イワナは川場の地付きイワナを系統保存した親魚から種苗生産を行っています。しかし、群馬県の養殖業は水量の関係などから生産規模が小さくコストが高くなってしまっています。・・・そうすると大量に生産できるため単価が安い県外からの購入が増えることになりますので、これら県外種苗との交雑は・・・という心配があるのです。
交雑が進んでしまった中流域や下流域は仕方ないとして、地付きがいる上流部分には他地域のものは入れないというゾーニング手法の導入や一定年数の禁漁区設定、産卵場造成などで増殖を試みるという方法に切り替えることも必要になってくるのではないでしょうか。
それでは、増殖にはどのような方法があるのでしょうか?
増殖と言うと、直ぐに頭に浮かぶのが種苗放流ですが、この他に漁獲量の制限(保護区の設定や漁獲数の制限など)や生息環境の整備(産卵場造成や隠れ家の整備など)、河川の連続性の確保(海や下流域からの遡上や降河をしやすくして天然遡上を増やす)といった魚を保護するための方法もあります。
成魚放流
増殖方法の中で簡単で結果がすぐに目に見えるのは種苗放流です。
例えば1トンのアユ種苗(1尾10g)を放流して、その内7割が生き残って1尾100gに育って、その7割が釣れるとすると、放流尾数の半分が釣れることになり5トンの漁獲量があるわけですから、多くの漁協が安定的な結果が得られるこの方法に頼ってしまっていました。
しかし、最近のアユを例にとってみると、冷水病やカワウの食害によって思うような漁獲量が確保できなくなって入漁券収入が減少して次年度の放流数が減る、放流数が減るから釣れない、釣れないからさらに入漁券が売れないという負のスパイラルに陥っている漁協が増えてきてしまいました。
他の増殖方法や水質浄化や環境整備なども平行して行っていれば、これほどひどい状態にならなかっただろうという声も聞こえてきて来るようになりました。現に天然遡上を増やす手法の導入や瀬と淵の造成、河川への石の投入、カワウからの隠れ家造成、水質浄化などに力を入れ始めた漁協も出てきました。
そして、もう一つ気がかりなのが遺伝子の攪乱です。種苗放流に、その河川にはいない遺伝子の種苗を放流した場合、地付きの種苗と交雑して遺伝子が攪乱されないかという心配です。
以前放流されていた琵琶湖産のアユは、産卵時期が海産アユよりも早いため交雑出来ませんでしたし、産卵・孵化して海にたどり着いても環境の違いから仔魚が育たなかったため遺伝子の攪乱は引き起こされませんでした。しかし、最近は湖産アユが冷水病に弱いと言うことで放流が減り、利根川水系以外の海産アユや交雑された人工種苗が放流されたりしていますので、これらに問題はないのかと言われています。
アユの養殖
また、渓流魚にも同じことが言えます。群馬県ではヤマメは吾妻の地付きヤマメを、イワナは川場の地付きイワナを系統保存した親魚から種苗生産を行っています。しかし、群馬県の養殖業は水量の関係などから生産規模が小さくコストが高くなってしまっています。・・・そうすると大量に生産できるため単価が安い県外からの購入が増えることになりますので、これら県外種苗との交雑は・・・という心配があるのです。
交雑が進んでしまった中流域や下流域は仕方ないとして、地付きがいる上流部分には他地域のものは入れないというゾーニング手法の導入や一定年数の禁漁区設定、産卵場造成などで増殖を試みるという方法に切り替えることも必要になってくるのではないでしょうか。