最近の私は、どうもマニアックな世界に入りこんでしまったようで、普通の人ならば森に入って花を愛で、きれいな果実に喜び、紅葉に感動するのでしょうが・・・、もちろん私も花や実を愛でますが・・・それよりも先に目がいってしまうのが「植物の奇形」である自分に気がつくのです。
森などへ入って植物を観察していると、葉に「球形」とか「とっくり型」のコブが着いていたり、芽が異常に膨らんで「リンゴ」のように見えたり、枝に「バラの花」のようなものが着いていたりと様々な部分が奇形になったものを見つけることができます。
ヤナギシントメハナガタフシ
このような植物の奇形を虫えいとか虫こぶ、またはゴールと呼んでいます。
虫えい(虫こぶ)の多くはタマバエやタマバチ、アブラムシなどの寄生によって作られますが、菌によって作られるものもあり、こちらは「菌えい」と区別して呼ばれることもあります。
虫えい(虫こぶ)には、寄生された植物が防御のための成分を作って集中させるので、タンニンなどが多く含まれるものもあります。これを採取して染料や医薬品、食物として利用されている虫えい(虫こぶ)もあり、特に有名なものとしてはヌルデにアブラムシが作った五倍子(ふし:ヌルデミミフシ)が挙げられます。
五倍子(ふし):ヌルデミミフシ
虫えい(虫こぶ)の名前の付け方にはルールがあって「植物名+出来る場所+形+フシ」が一般的です。例えばコナラの芽についたリンゴのような虫えい(虫こぶ)は「コナラ+メ+リンゴ+フシ」となります。
ただし出来る場所などが省略されることもあるようです。そして最後に付ける「フシ」は前述した五倍子(ふし)が基になっているのです!