東日本大震災の際、東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)も福島原発と同じクラスの津波に襲われた。
だがしかし、福島第一のような大きな被害は出ず、危機的な状況に至ることもなかった。
その違いは何だったか。
女川原発は福島第一原発から北に約120キロ離れた太平洋岸にあり、3つの原子炉が並ぶ。
福島第一原発を襲った津波の高さは14メートルを超えたが、女川町を襲った津波の高さは17メートルクラスだった。
津波で女川原発の1~3号機のうち、2号機の原子炉建屋の地下3階は浸水したが、原子炉を冷やすために不可欠な電源が失われることはなかった。
女川原発の安全審査で想定された津波の高さは最大9.1メートル。想定を大きく上回ったのは、福島第一と同じだった。
被害が小さかった理由について、東北電力は「詳しい経緯は今後の調査を待たねばならないが、余裕をもった造りが大きかったと考えられる」と指摘した。
「余裕」が最も表れているのは、原子炉建屋の海面からの高さだ。同原発の主要施設の標高は14.8メートルあり、10メートル前後だった福島第一より高い。
女川原発は2号機の熱交換室が浸水の影響で使えなかった1系統を除き、非常用電源が正常に稼動した。施設の位置の高さが津波の被害を防いだ可能性があるという。
また、女川原発では、福島第一と異なり、外部電力が失われなかったことも大きかった。
女川原発につながる2系統の送電幹線のうち、片方は地震の影響で止まったものの、もう一つは電気を送り続けた。同原発1号機は変圧器の故障でこの外部電力も使えなくなったが、2,3号機では維持された。
福島第一原発で外部電源が喪失したことについて、東電側は「送電鉄塔が地震で倒れたため」と説明している。
原子炉建屋の高さがまちまちなのは、適した岩盤の位置によるという事情がある。
津波対策として原発を海面から高く建設することは容易でない。原発の必要とする大量の冷却水を確保するため、海水面近くに造る必要がある。核燃料や運搬時に燃料を包むキャスクなど、何トンもある重量物がある荷物は船で敷地内に運び込まれるため、建屋の標高が高いと作業がそれだけ困難という面がある。
以上GOOニュース。
なるほど。建屋の標高、外部電力の確保と送電幹線の確保、防水、鉄塔の無事、がこの差を生んだ。
フランス、米国に救援チームの活動が功を奏した後にしっかりとした「安全の検証」が為されなければならない。
そうでなければ「危険な原発」はすべて「廃炉覚悟」の基準が示されなければならない。
人類に恩恵を与えるはずのエネルギー政策がその言葉通りの恩恵を人類に与えることができるように。