入社を勧められない過酷な労働搾取企業を指す。関係法令に抵触する可能性がある営業行為や従業員の健康面を無視した極端な長時間労働(サービス残業)を強いたりする。
ブラック企業は労働集約的な体質の企業が多く、正規・非正規雇用のいずれも一般的な企業に比べて入社は比較的容易である。「代わりはいくらでも入ってくる」使い捨ての消耗品でしかない。常に新人を募集し続けている。平均勤続年数が短い。採用広告の常連で多額の広告費を人材募集に費やしている。
ブラック企業とは知らずに入ってしまった人材の能力・技術・時間・心身を薄給で浪費させ、次次と食いつぶし、経歴を汚すことで成り立っている。
経営者・上層部に「社内で強大な権限を持つ代わりに重い責任を負っている」自覚が無い。権限だけ大きく責任は末端に押し付けている。経営者・上層部の負うべき責任を明示しない。
独裁的経営、恐怖政治的経営、ワンマン経営、同族経営、社会的成功による増長要因の成り行き任せ経営、法制度に対する軽視の曼延。パワーハラスメント、大量採用と名ばかり管理職。短期雇用の使い捨てを前提としたビジネスモデルが構築されている。
不祥事や事故が起きても末端社員に刑事責任・社会的責任や国家資格の剥奪などのペナルテイを全て負わせ、経営陣には一切の責任が及ばないシステムが巧妙に構築されている。
上層部と一般従業員や中間管理職の間には血縁といった、決して越えられない壁がある。
「はい」以外の返答の禁止。「サービス残業は誇りである」「パワハラではない、愛の鞭」「従業員の将来を思って厳しくやっている」上意下達と絶対服従のみが徹底化された組織。下層の従業員は会議にも参加できない。業務上の問題点の指摘が出来ない。上司の慢心による意思疎通の不徹底。社内カースト、上司より先に退社してはならない。
定時にタイムレコーダーを打刻してからサービス残業。上司より有給は取ってはならない。新人は早朝に出勤せねばならない。プライベートにまで及ぶ内容。強烈なプレッシャーとストレス。
会社組織末端の従業員や下級管理職の鬱病、PTSD、自殺者が出てくる。仕事とプライベートの区別がつかない。従業員の家族までも対象とした社外活動、冠婚葬祭への介入。SNSを通じた24時間体制での干渉。労働組合は存在しない。あっても御用組合。組合役員は幹部登用のルートができている。
常に収益の向上を名目とし、人件費削減を過剰に追求している。仕事量に対して人数が圧倒的に不足している。作業量が荷重な上い増員や分業も出来ない。成果主義、年棒制の真の目的が人件費抑制。裁量労働制・フレックスタイム制の悪用で時間外労働の対価を払わない。
薄給の上に経費は自腹。必要な諸経費を自己負担させる。勤務に必要な制服・道具が従業員負担。ノルマ達成に対する手当や報酬が無い。あらゆる不可抗力に対しても罰金を取る。棚卸損まで従業員負担とする。
大卒3年目の離職率(2012年11月7日日経新聞)では全産業の平均は「28・8%」だった。産業別では
教育、学習支援業 48・8%
宿泊業、飲食サービス業 48・5%
生活関連サービス業、娯楽業 45%
医療、福祉 38・6%
不動産、物品賃貸業 38%
小売業 35%
サービス業 34%
学術研究、専門・技術サービス 31%
建設業 27%、
卸売業 26%
情報通信業 25%
運輸業・郵便業 20%
金融・保険業 18%
複合サービス業 16%
電気・ガス・熱供給・水道業 7%
鉱業・採石業、砂利採取業 6%
小生の次男が退職してしまった。8年勤めて疲れてしまった。将来に向かった目標が立てられないという。ブラック企業だったかもしれない。正職員なのにパートより年棒が少ない。
一応新潟県の有名企業である。労働組合は無い。
十分研究した筈の会社でもこの状況だ。親の心配はいつまでも続く。