国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

駄洒落道(3)

2007-03-13 01:54:07 | 駄洒落道
【みっつも!】 (2002-03-14 11:38:23)


師「前回の<国またぎ>の復習をしてもらおうかの」

描額亭「はぁ?いきなり何を?」

師「喝!常在戦場の気持ちなくして駄洒落が言えると思うちょるのか!」

描額亭「す、すいませんでした和菓子よ」

師「我が師よ、だろ」

描額亭「そうです。さすがは我が師、イントネーションで聞き分けるとはすばらしい」

師「ふぉふぉ。聞き分けのないのは女だけぢゃ」※1

描額亭「あ、ジェンダー」

師「だから、現代思想をからめようとするのはやめい!」

描額亭「はぁい。で、<国またぎ>ですね」

師「うむ。二つの国の言葉で駄洒落を作るんぢゃぞ。わかりやすい言葉で作るのがマナーぢゃ。ジェンダーなんて言葉の普及はまだまだジェンジェンダー。だからダメぢゃ」

描額亭(無視をしつつ)「では、一首披露させていただきます」

師「へぇ。駄洒落って一首というように数えるんだぁ」

描額亭「師、少し口調が軽いですぞ。では披露します。」

  「お前なんか中国に行っチャイナ!」※2


師「中々良いが中国と命令形のあいだにある因果関係がちぃと弱いのぉ」

描額亭「なるほど、難しいものでございますな。はてさて」

師「まぁ、良い。では今日の実作を味わうかのぉ」

【実作2】

 ★「今日は暑いねぇ」
 ○「扇子を持ってこない奴はセンスがないね」 
 ★「…。」
 ○「おや、黙ったりして、ウチワの話だから気にせずに」
 ★「……。」
 ○「しかし、冷房がないから頭がクーラークーラーしちゃうね」
 ★「ぷ」※3


師「どうぢゃな」

描額亭「はぁ。す、すごいものを感じますね。不屈の闘志って奴ですね」

師「ぢゃろ。これは一つでは埋もれてしまうくだらない駄洒落を三つ関連させて使用することにより、効果を高める方法で<黒三連>という技ぢゃよ」※4

描額亭「なるほど。これで相手は力ないながらも一応笑ってしまうのですね」

師「うむ。このレベルになると相手も覚えてしまい、結婚式でまさに思い出として友人のスピーチなどで披露されてしまうであろう

描額亭「恐ろしい技ですねぇ」※5

師「しかし、この技を出せるようになるには常在戦場の気持ちが不可欠ぢゃ。つねに言う姿勢が生み出すのぢゃ」

描額亭「わかりました、師よ」

師「うむ」

描額亭「あ」

師「なんぢゃ」

描額亭「戦争だ!ウォー!」 (<国またぎ>のことをまだ考えていたらしい)※6





※1 沢田研二の「カサブランカダンディ」の一節より。
※2 おいらが漢詩を教えているときに生徒が叫んだ駄洒落。
※3 おいらが実際に言った駄洒落群。
※4 「くだらない駄洒落」って「長いロングスカート」っぽいね。
※5 これと並ぶくらい恐ろしいのは卒業アルバムで何かやらかすだな。
※6 ※2の生徒が言っていたような気がする。
コメント (2)
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