Rちゃん「昔、初恋したことあるんだ」
おいら「俺も一度くらいあるよ」
Rちゃん「小学2年生くらいから好きでさ、6年生までずっと片思いだったんだよぉ」
おいら「長いな」
Rちゃん「長いよ、でさ。6年のとき、長い初恋が突然終わったんだよぉ」
おいら「ふられたの?」
Rちゃん「いや、後で知ったんだけどさ、実は両思いだったらしいんだよね。(中略―小学生なりに複雑な人間関係の説明がなされた)ぐふ。僕、モテる。」
おいら「ふられたんでもないということは恋が実ったわけ?」
Rちゃん「正確にはふられたのかな。思い切り、嫌われたのよ。ふられたというレベルじゃなくてさ」
おいら「何で?」
Rちゃん「小学生ってさ、好きな子にちょっかいしたり、いじわるしたりしない?」
おいら「するする(以下略)」
Rちゃん「ひどぉい」
おいら「ひどいか、やっぱ」
Rちゃん「でさあ、僕さ、やっぱ、初恋の男子とじゃれあいたいじゃん」
おいら「君って一人称、僕なんだな」
Rちゃん「お。言われてみれば。でさ、下駄箱の上に登ったのさ」
おいら「なんで?」
Rちゃん「下駄箱の上から突然降りて脅かす。相手が驚く。やったなあ、Rちゃんとか言われて、僕があははみたいに逃げるとかして遊ぼうと考えていたのよ」
おいら「はあ、下駄箱の上に人間がいたら、気づくから驚かすことにならないんじゃね?」
Rちゃん「子どもって考えが浅いじゃん。それで通用すると思っちゃうわけ」
おいら「はあ」
Rちゃん「で、愛しの男子が来るわけよ」
おいら「気づかれたでしょ」
Rちゃん「ところが気づいていないの」
おいら「え? 下駄箱の上にいたんでしょ」
Rちゃん「たぶん、気づかない振りをしていたんだよ、ほら、僕の好きだったらしいから、彼もじゃれあいたいわけよ」
おいら「ふぅん」
Rちゃん「でさ、飛び蹴りをしたの」
おいら「へ? 飛び蹴り?」
Rちゃん「そ。飛び蹴り」
おいら「何で?」
Rちゃん「驚かそうと思ってさ。考えがエスカレートしたんだねぇ、きっと」
おいら「はあ」
Rちゃん「そしたらさ、相手がふっとんでさ、後頭部から倒れちゃってさ」
おいら「小学生と言えども、下駄箱の上からの飛び蹴りはきついよな」
Rちゃん「そそ。でさ、私も着地に失敗で、どこにぶつけたんだかわかんないけど、足を切って血がだらだら出てさ」
おいら「うわぁ」
Rちゃん「後頭部を打って痛がっている男子と、足から血を流している女子が下駄箱のところにうずくまっているわけよ」
おいら「何がなんだかわからない風景だな。工藤新一でも最初はわかるまい」
Rちゃん「誰だ、それ?」
おいら「工藤新一、探偵さ」
Rちゃん「でさ、次の日から口をきいてくれなくなったのよ。というか、おびえた目で私を見るのよ」
おいら「初恋って儚いもんだな」
Rちゃん「そんなにきれいにまとめられるもんじゃないよね、君」
・・・・・・・・・・・・・・・蛇足・・・・・・・・・・・・・・・
●会話だけで進めるパターンの文章が書きたかった。
●出だしの「Rちゃん『昔、初恋したことあるんだ』おいら『俺も一度くらいあるよ』」の会話は原典不明、オリジナルか、誰でも思いつく類のものか。
●現在のRちゃんは少々ガンになったようだが、無事に回復したとか。
●「初恋って儚い」で連想したんだが「ファがない」。「ファがない」と言えば下↓の曲。
日向坂46 『ドレミソラシド』
音階で始まる変わった曲だが(絶対音感の人には耐えられないと言っていた方がいましたが、本当でしょうか。当方、音痴でわからず…。)、先達らのご意見によると(例;【徹底解説!!】タイトルに“ファ”がない理由は…!?)、「ファ」がないことによって、横断歩道を表していることで良いだろう。歌詞に「横断歩道 渡ってる時
君からドレミが聞こえてきたんだ 日常はいつも昨日とおんなじで ドラマティックなことなんて起きないのに」とあるのだから、横断歩道と関連はあると考えた方が自然かと。
白線の部分だけを歩いてくるというのは、子どもっぽく少女らしい(たぶん)し、弾んだような歩き方になるのではないか。実際にやってみようとしたが、病気のせいか足腰が虚弱化して無理だったが。病人はいやだね。
「経験不足の恋さ」の流れのあとにラストの「ファがない」がくるのが「儚い」に通じていないことを祈るのみだ。