国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

私の好きなカード

2022-12-05 17:58:37 | マジック

●「あなたの好きなカードを言ってください」とマジシャンに言われる時がある。

●普通は聞かれることはないと思うが、カードマジックではよくある話なのである。

●当然、「アメックスのプラチナカード!」といいうような答えを期待されての質問ではない。

●カードマジックである。トランプマジックである。好きなトランプのマークと数字を聞いているのである。

●当然「え?」と観客に言われることもあるが、「例えばスペードのエースなどというものですよ」と導いてあげるのが親切なマジシャンであろう。

●また、「ありません」と観客に言われることもあろう。

 そこはマジシャンの腕の見せ所である。各自、マジシャンは対応されていることであろうと思う。

●ちなみに高齢の女性の方でトランプ自体を触ったことがない人がいらしたので、誰でもトランプを知っているとは限らないなあと思ったことあり。

 なんでも博打道具に触ってはいけないという教育をされていたらしい。

●今は今でトランプ自体を触ったことがない人っていそうだよね。

 特に若い衆で。

●で、だ。

 ここまでが前振りだったのだ。

●つまり、ここで「で、だ」。

●私はクラブのジャックと答えることが多い。

●すると「マニアだねえー」とか言われたり、「え?」と驚かれたりすることが多い。

●とある有名なマジシャン(パルト小石さんに会わせていただいた)には、きっと睨まれてしまった。

 あとでわかったのだが、クラブのジャックを利用したマジックをその後にする都合で、この場面でクラブのジャックと言われるとよろしくなかったのである。

 しかし、有名マジシャンだけあって演出を変更し、その後のマジックとも見事に整合性を合わせてしまったのである。

●このようにマジシャンが演出変更をするのを生で見たのは、いまだに記憶に残っている。

 有名なのは伊達ではないなと。

●つまりは、「クラブのジャック」というのはマイナーすぎるカードで、おそらく好きだと言う人は皆無に等しいのではなかろうか。

●しかし、だ。

●私には「クラブのジャック」と運命的な出会いをしているのである。

●初めて買ったミラージュデック(=トラべリングデック)が「クラブのジャック」だった。

 初めて買ったフォーシングデックが「クラブのジャック」だった。

 初めて買ったハーフフォーシングデックも「クラブのジャック」だった。

●初心者のときにこれだけ重なると、もう、運命である。

●かくて、私は「好きなカードは?」と聞かれると「クラブのジャック」と答えてしまうのである。

 

 

 

●まだ、好きなカードが決まっていない方は「クラブのジャック」と答えるのはいかが?

●戸惑うマジシャンが増えることになるかもしれないけれども。

 

 

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