●私は今更言うのもなんだが、ヘタレである。歴が長いわりには手品が下手というより、できないマジックをいったん置いてタイプである。後から拾いなおすことがあるにはあるが。
●指にハンデがあるのか、練習が足りないせいか、はっきりとしないのだが、リフルシャッフルやドリブルが苦手である。そんな私がショートレクチャーシリーズ第6弾であるヒロ・サカイ氏の『EZ-ダブルショック ルーティン』(ショップページへ)に挑戦してみた。
私ができれば「EZ」である。私が後回しにしなければ「EZ」である。
●とまあ、主観的な基準であるが客観的にもさほど間違っていない基準だと思う。
●まず、セットアップだが、私が知っていたけど、なんとなく避けていたデックを活用する。むろん、自分のデックをちょっといじるだけでできるデックである。それに「ちょっと余分なものを使用」(ショップページより)して、セットすると完了。オープニングに向いているマジックだが、私は「ダブルショック」の威力を考えれば、これだけを、あるいは、エンディングに演じたい。
まずは、相手が選んだ場所から4枚のカードを抜き出すのだが、ここは自分にあったやり方でいいと思う。むろん、ヒロ・サカイ氏のやった通りがベストだろう。単に私は違うやり方を好んだだけである。
大胆さと図々しささえあれば(これはヘタレのくせに、意外とある)、ダブルショック現象へ行ける。つまり先ほど選んだカードが4枚のキングになってからの4枚のエースになるわけだ。ここの部分が「EZ」なのである。先の準備が活きるところだ。しかし、大胆さと図々しさを必要とするところは好みがわかれるところか。私は好き。なにせ、「ダブルショック」現象が起こせるのだから。一応、ショップページへ行っていない人のために軽く書いておくと、観客の選んだ4枚のカードが4枚のキングになり、その後4枚のエースになるという現象である。なお、大胆さと図々しさに対しても配慮はなされているので念のため。
●続いて「ルーティン」の部分である。具体的には4枚のエースの活用の部分である。出てきた4枚のエースと「前段で利用したタネをエコロジカルに活用する」ことでかなり演じやすい。
●ただ4枚のエースでのツイストの第一段で間違えても現象が起きてしまうのが、私には困った。最初に間違えたせいか、あとあと引きずり混乱した。この第一段を間違えなければすんなりと覚えられると思う。というか、間違えて混乱するのは、私くらいやもしれない。癖になるとなかなか抜けないのでご注意を。
●このツイスト現象中に、怠けたい人(俺だ俺)は一技法とばしても現象を起こすのに、問題がない。改めも少し弱まるが、しっかりとできるのでセーフ。
●私の手品を見慣れている、そしていくつかの技法を知ってしまっている妻が「あれ?」と言った部分がツイストの段にある。このあたりマニアをひっかけられるやも。
●ラストはミスディクションの練習になる。最初の演技映像を見ておくと良い。現象としては「裏向きの状態の4枚のエースをデックの中央にカットインして、デックを広げると、なぜか4枚のエースは、裏向きのデックの中央に4枚ともすべて表向きにひっくり返って現れます」なのだが、これが私の好みである。
というのも、中央の4枚のカード選びで始まり、中央で終わるあたりが対称的で美しいと思ってしまうのである。
●そうなると欠点は時間の短さである。他のカードマジックにつなげていくことも可能だが、せっかくの対称性である。オープナーとしてではなく、私としてはここで終わりたい。しかし、1分30秒程度の演技である。少々観客とのコミュニケーションを取っても2~3分であろう。
どのタイミングで演じるかである。
●「何か演じてよ」なら問題はない。「EZ-ダブルショック」を一発すれば十分である
●よく言われる「三つ用意して二つ演じる」(言われるよね、たぶん)という場面だと、3つ目か。リクエストがあってのラストにふさわしいだろう。
●が、だ。
●せっかくの良いマジックだから、隙あらば演じたいよね。
悩ましい。
●結論、『EZ-ダブルショック』はEZに演じられるが、演じるタイミングがEZでない。
なお、リセットだが、観客の前ではできないが、簡単にできる。そこも良い。
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