見たかった★「ブラマンテの螺旋(階段)」!
特別の許可をもらったグループしか入る事が出来ない場所。
※⇒こちらに日本の会津「さざえ堂」に至る螺旋の話、書きました
***午前中のトラステヴェレ観光を終え、ホテルで二時間休憩。14:45に再びホテルを出て、ヴァチカン特別見学に向かった。ヴァチカン・ミュージアムは見所が多く時間もかかるから体力を回復して、気持ちも新たに訪れてほしかったのであります⇒ 通常の入場、その後特別観光の場合グループに専用の係員が付いてくれて、「特別観光」の入口を開けてくれる。まずは、冒頭の「ブラマンテの螺旋(階段)」。
次の★「マスクの間」は、古代の動物彫刻コレクションの部屋の奥に位置していた。古代も今も、動物に対する人間の視線は変わらない↓
「マスクの間」は、床の中央に古代ローマのモザイク画がはめられているゆえ、そのように呼ばれている↓
周囲を囲む蔦のデザインは、この床をつくった16世紀ごろのもの↑古代のモザイク画と上手に調和させている。
部屋の一角に、おもしろい椅子があった。これが★「法皇が男であることを確かめるための椅子」↓伝説的に語られている
伝説では9世紀に「ジョヴァンナ」という法皇が女性で、当時使っていたラテラノ宮殿からサン・ピエトロ聖堂への行幸行列中に愛人の子供を出産するという「不祥事」が起きたという。これ以後、新法王が男であることを確かめる習慣がはじまり、この椅子に新法王が座ると、枢機卿の担当者が下から穴を見て「"Testiculos habet et bene pendentes"(「彼には、睾丸がある、そして、それはきちんとぶら下がっている」)と宣言する」習慣だったとか(Wikiのweb辞典より)」あるいは、手を入れて触ってたしかめていたとか↓
この椅子、ホンモノをみると高価な赤大理石でできている。そして、実はキリスト教成立以前の古代のモノというのが考古学的解釈だそうだ。赤大理石は古代ローマ皇帝の棺にも使われる高価な材料。この椅子はローマ皇帝ファミリーの出産用の椅子だったのではないか、との仮説である。
それが、法皇庁にて使われたのは、「大地の恵みをもたらす法皇」の椅子として使われた?との推察につながっている。ううむ、謎の多い椅子。だからこそおもしろい。
★ニコリーナ礼拝堂は、ニコラオス五世がフラ・アンジェリコに描かせたフレスコ画でうめつくされた小さな空間。フラ・アンジェリコが遺した大画面フレスコの最高傑作とも言われる。以前は一般観光でも入場することが出来ていたが、小さすぎる場所だからか、近年は「特別観光」でのみ見学できる場所になった↓
※このフレスコについてはまたの機会にふれたいとおもいます
三か所の「特別見学」を終えると、もう16時半近くになっていた。一般的な観光は17時には追い出されてしまう。そこまでの時間で、ラファエロの「アテナイの学堂」をはじめ、著名なフレスコ画で飾られた部屋を見学した。
そして17時。え?これからシスティーナ礼拝堂へ入って良いのですか?↓
我々が入ると、最後に残っていた見学者が出されてゆく。 怪訝そうな人々の視線をうけながら、ヴァチカンのガイドさんと我々十人だけが、システィーナ礼拝堂に残された。
・・・静かだ。そして、広い。 いつも満員電車の様な人の中で見ているので、これほど巨大な絵であった事を忘れていた。振り仰ぐと、降ってくるようにフレスコ画が視界をいっぱいにする。 ・・・なんという迫力、さっき見たフラ・アンジェリコのニコリーナ礼拝堂と比べてはいけないのだろうけれど、スケールも表現力も、桁外れである。 ミケランジェロは弟子を使わず自分一人で画いたなんて、あらためて驚いてしまう。
通常は中でのガイディングも禁止されているシスティーナ礼拝堂だが、この貸切では特別に許されている。ガイドのUさんは時間いっぱいまで、じっくりと解説してくださった。
外へ出ると、もう真っ暗 専用のミニバスに乗って、ホテルまで帰る。が、すぐにみんなでカンポ・デ・フィオーリ近くの老舗レストランへ。ここはもとポンペイウス劇場があった場所で、カエサルもその一角で暗殺されたと言われている場所。地下の部屋にはこんなふうに古代の柱ものこされている↓ メニューには、アーティチョークのフライも入れてもらった↓ 「ここのティラミスは絶品ですよ」とのことで・・・ん、たしかにおいしい 「なんと得難いヴァチカン特別見学だったのだろう…」終わってみてひしひし感じている。