まず、初段電圧増幅回路のロードラインを引き、現状動作点の確認と変更検討を行いました。
初段は高域特性が良いと言われる「SRPP回路」となっています。
オリジナルの使用管は「ECC82(12AU7)」です。
この回路は、使用球こそ違いますが、私のKT88ppアンプの初段と同じ構成です。KT88は6SL7GT。この時に勉強した事を生かしたいと思います。
ぺるけさんの資料を参考にロードラインを引いてみました。
例題と同じで上段のRk=1kΩですので、下図の青い線が描けます。
これは下段から見たプレート抵抗(負荷抵抗)30kΩと同じ意味になります。
この事と供給電圧(B電圧)からロードラインを引くと、オリジナルは下図の灰色の線となります。
この状態でも良さそうですが、もう少し供給電圧を高くし電流も流し動作点を右へ移動し、いっその事ぺるけさんの例と同じにしてみました。
そして出来たのが、下図の赤い線です。
供給電圧の変更は、デカップリングに使ってある抵抗値の変更で調整が出来ました。
(変更前後のロードライン)
ここの真空管には、12AU7(ECC82)の軍用BRIMAR 13D5を使用しています。
この球は、1960年代にイギリスの工場で生産されたNATOの軍用で、何年か前に倉庫から未使用品約15,000本が市場に放出されたと言う事らしいので、その内の2本という事になります。
変更後の回路図については、最後に投稿します。
今日は、ここまで。次回は苦労したドライブ段です。