最近の土曜は雨か仕事のところ
本日に限って念願叶って晴れの土曜休み。
丹沢と迷ったが長年放置していた
鎌倉アルプスを選択。
北鎌倉駅【25m】を起点に
大平山【159m】衣張山【121m】と
グルっと鎌倉を周回し
締めはキャラウェイ【7m】で
鎌倉ナンバーワンのカレーライスを頂くことに。
7時50分北鎌倉駅着。
周囲のお寺が開くまで1時間くらいあるので
この時間帯は学生さんか
ハイキング客しかいない。
目指す天園ハイキングコース今泉台入口は
紫陽花寺で有名な明月院の先にある。
開門前の明月院を過ぎると
さっそくやぐらがお出迎え。
住宅街の急坂を一気に上り詰める。
あとは天園ハイキングコースの「→」に従うだけ。
鎌倉の市街地は親切な標識が多く
絶対に迷うことはないと思えるほど。
今泉台は古都鎌倉の中では珍しい
切り開いた新興住宅街。
8時20分
今泉台住宅街の東端からハイキングコースにダイブイン!
コースの難易度は低く
山というより
裏山で散歩してるような感じ。
起伏もほとんどなく
むしろ北鎌倉から今泉台までの登りの方が辛いくらい・・・。
8時25分
あっという間に勝上獄展望台。
相模湾越しに
伊豆・小田原方面と
鎌倉中心部が見える。
なお、鎌倉市街地の案内が懇切丁寧この上ないのに反し
ハイキングコースはなかなか不親切で
「迷子にならないような道標は充実しているものの
名所旧跡の案内はないに等しい」
歩くだけなら下調べなしで問題ないが
コース上のあれやこれやを楽しみたい場合は
それこそバリエーションルートを歩くつもりで
下調べすることをお勧めする。
勝上獄から東へ向かうルートで
プチ岩稜帯やら
ちょっとしたやぐらに気を取られたりしていると
勝上獄~竜爪岩(勝手に名付けた)までの間の
・十王岩下のやぐら
・十王岩
・朱垂木やぐら
・弘法大師像
・百八やぐら
と目白押しの見どころをスルーしがちなので要注意。
ちなみに弘法大師を除き全てスルーする失態演じてしまった・・・。
8時35分
覚園寺山内の弘法大師像
この像も案内はなく
土台をよじ登って
初めて弘法大師と気づくしまつ。
補助ロープのある石段を下ると
竜に引き裂かれたかのような巨岩。
巨岩の下は百八やぐりという一大やぐら群とのこと。
もっと案内がほしいが
旧跡が各お寺の境内ってのと関係があるのだろうか・・・。
この辺りは強固な岩盤で
がっちりした足場が続く。
崖沿いに這う樹木なんて
もはや日本のタプロム遺跡。
しかしほぼ起伏のない平らかな道が続く。
9時ようやく樹林帯を抜けて
大平山【159m】到着。
起伏はないとはいえ
1時間半歩いた先に駐車場があり
さらにゴルフ場だったりすると
ガックシくる・・・。
結論からいくとここが今回唯一の開けた広場。
振り返ると超えてきた大平山。
秋の雲とススキと
セイタカアワダチソウの
コントラストが素晴らしい。
このルート唯一の公衆トイレ。
この先は轍もあり
車両乗り入れもありらしい。
9時10分天園到着。
10月末とはいえまだまだ緑が旺盛で
眺望が乏しい。
来るならやはり晩秋~冬だなぁ。
そしてここが横浜市最高地点。
なおここから直進すると金沢・釜利谷方面に下ってしまうので要注意。
少し戻って南へ曲がり瑞泉寺を目指そう。
途中で別れる獅子舞谷は紅葉で有名なのだとか。
ゆるゆると下る道は急に狭くうっそうとした繁みに変わる。
川もないのに苔むした道。
9時半
二階堂風土保存エリア。
岩盤のしっかりした道をすいすい下っていると
あっという間に瑞泉寺の直前についてしまった。
天園~瑞泉寺は
・貝吹地蔵
・大亀石
・胡桃山
・北条首やぐら
とこちらもふんだんに見どころがあったはず。
9時40分
とりあえず案内のないT字路まで戻り
鎌倉殿のイケオジっぷりが記憶に新しい
大江広元の墓を目指す。
プチバリエーションルートのようで
道案内はゼロ。
やや不安になりかけたところで
右後方に戻りながら急坂を上ると
9時50分
大江広元の墓と伝わる石塔に到着。
もはや悪意とも思えるほどに何の案内もない・・・。
なおこのルートは大江広元の墓によらずまっすぐ下山すると
はじめ弁天を経て明王院口という登山口につながる
プチバリエーションルートとのこと。
案内のないT字路から戻ること5分。
先ほどの地盤のしっかりしたエリアで周囲を見渡すと
なんのことはないそこが裏山やぐら群だった。
もうでなんで気づかなかったのかってくらいやぐらだらけ。
強いて言えば下りだと見えにくいのかもしれないが
よく見たら本当にやぐらだらけ。
さらに道標に従ってやぐらの裏手に回ってみると
もう日本のベンメリア遺跡ともいえるような
森に侵食された遺跡が広がっている。
もっと力をいれて保存するべきと思うな。
夜におとずれたならおもらし必至な
幽玄かつ荘厳な雰囲気。
天園ハイキングコースは
グーグルマップを開きながら歩いたほうがいい。
専用アプリを作ってダウンロードとかしたら面白かろうに。
源氏の家紋であり鎌倉市の花、竜胆。
瑞泉寺やぐらを堪能してもまだ10時20分。
せっかくなので十二所側入り口へ降りて
鎌倉七口の代表格
朝比奈切通に寄り道。
このコースは細いうえに
水の手が近いようで
湿地のようなぬかるみを歩く。
10時30分
住宅街の裏畑にひょっこりでる。
ここが十二所入口。
何に使うものか一つもわからないけど
なんだかお洒落。
大刀洗川にそって東上する。
途中、工務店の資材置き場のような崖にも
やぐら群。
やぐらの上を鎌倉~金沢を結ぶ金沢街道が走る。
緑で埋め尽くされ
かろうじてやぐらが一つしか見えない崖だが
冬になればやぐら「群」が顔をだすのだそう。
地元の人は朝比奈切通を「峠」と呼ぶようだ。
その峠を目指して
車では通れないような旧道を上る。
切通に入る直前に大刀洗の水なる清水が流れる。
上総広常を暗殺した梶原景時が
刀剣をここで洗ったのだとか。
滝から先は車が通れないような険路となる。
お地蔵様に見守られながら
当時の様子を色濃く残す
金沢街道を上る。
水の流れに岩盤の強さがうかがえる。
驚いたことに今歩いている道は
江戸時代の層で
鎌倉時代の道はさらに深くを通っているのだそう。
また、鎌倉の海は遠浅のため
港としては朝比奈切通の東側、
金沢を使っていたのだそう。
11時10分朝比奈切通着。
さて切通を満喫した後は
現在の金沢街道を通って
鎌倉最古の寺、
杉本寺を目指す。
12時杉本寺到着。
階段のコケが秀逸とのことだが
うううーん・・・。
雨が乏しいせいか
今一つ。
最古の寺というわりに
本堂はあまり見るべきものも少なく
境内の高台に回っても
さほど見晴らしもよくない。
やはりこの「苔むした階段」
が一番の見どころらしい。
杉本寺の正面の住宅街を抜けて
12時50分衣張山北側登山道へ侵入。
思いのほか斜面が急で
つづら折りに一気に高度を稼ぐ。
13時衣張山【121m】登頂。
新田義貞が越えた稲村ケ崎。
その奥は伊豆半島。
衣張山をそのまま南へ下山すると
逗子鎌倉ハイランドとい高級住宅街があるが
そのハイランドの西に隣接するのが
自然ふれあいの森。
かなり整備された高級里山で
わが故郷武蔵野台地のクヌギ林とは
格の違いを感じずにはいられない。
関東の富士見百景。
今日は富士山お休みのようだ。
念のためパノラマ台にも上ってみる。
先ほどの衣張山とほぼ同じ・・・。
13時30分
お猿畠の大切岸。
14世紀の石切り場で
鎌倉の東側が切り立った城郭のようになっている。
石切り場よりも城壁にみえる。
この辺りは名越の切通ではないが
石柱が立っている。
民家の後ろを失礼します。
無縁諸霊之碑。
妙行寺跡のものだとか。
そしてなんという行幸、
まんだら堂やぐら群が本日公開中とのこと!
14時まんだら堂やぐら群。
これは素晴らしい。
こんな遺跡初めて見た。
地元のおっちゃんがテントを張って
門番をしており見学は無料。
日本にもこんな忘れ去られた遺跡が存在するとは。
日本のベンメリア遺跡といっても差し支えないのではないか。
と思えるほど大変良い状態で保管されており
売り出し方によっては
すごくよい観光資源になるのように思う。
14時20分
名越切通。
まさに人が1人通るのにやっとといった道幅だが
岩の上部にも道があったり
岩が崩れて道が細くなっていたりで
実際の道はどこをどの広さで通していたのか
なかなか判断が難しい様子。
お地蔵さんにお供えされた
竜胆?睡蓮?
なんだろう。
市街地へ向かって一気に下る。
今までの道の中では
一番人気が少なく
雰囲気がある。
お地蔵さんの数も多い。
JR横須賀線の線路わきにひょっこりする。
14時30分
名越切通の鎌倉側入り口到着。
本日の散策はこれにて完了。
材木座の銭湯清水湯へ。
15時オープンなので一番湯!
昔ながらの銭湯で
15時前になると地元の方が自転車で
三々五々集まってくる。
いよいよ本日の最終目的地
小町通りキャラウェイを目指す。
昨年の大河鎌倉殿はよかったなぁ。
よし!
ようやくついたぜ
鎌倉の名店
キャラウェイ。
ビーフカレーとウメシュサワーを頂く。
なぜか鎌倉はカレーライスの名店が多い。
夕方なら並ばないっていったの誰だ!
しっかり並ぶじゃないか!
完全にビール待ちのお口でいたのに
アルコールメニューはウメシュとウメシュサワーのみだという。
筋が少々残る程度まで固形物がなくなり
煮込まれまくったソースは
ビターでスパイスの深みに富み
程よく辛い。
レギュラーライスが550gというのも素晴らしい。
添え物が4種類なのもよいが
チャツネがベスト。
先ほどのウメシュと合わせて考えるに
キャラウェイのカレーは
「甘味と合わせて頂くのがうまいのだよ」
という店主の無言のメッセージとみた。
ということでウメシュサワーを急遽追加オーダー。
店主のメッセージを随所に感じることのできる
素晴らしいカレーであった。