上野の国立科学博物館で開催されていた「1970年大阪万博の軌跡」という展覧会に行って来ました。
「人類の進歩と調和」というキャッチコピーと、いまだ破られない6,400万人という動員数。万博と聞くと思い浮かぶのが小学生当時のつくば博と、名古屋の愛・地球博。結局どっちも行けなかったけど。いちおう断っておきますが筆者は'75年生まれなので当然大阪万博は行ってません・・・。
実際に展示された未来の電気製品や月の石、当時の会場を再現したジオラマや万博をダイジェストで紹介したムービーなど、みどころはそれなりにあって楽しく拝見したのだが、
ここへ来る前から一つ思うことがあり、今もそれが引っかかるので、ここに書き留める。
「大人の科学」(学研)第1号(2003年)という雑誌の記事の中に「21世紀・・・どうして車は空を飛んでいないのか・・・?」という1ページ程度のコラムがあった。それを読んでいく中に、「大阪万博は、実は未来予測そのものの終焉イベントだった」とあり、万博以後、未来を予言したビジョン提示を、これまでしてこなかったのではないか、とコラムでは今の大人(つまり、ぼくたちのこと?)に突きつけてきている。
万博展示会にて見ることのできた展示品は、現在、そのままの形で、あるいは形を変えたり用途も多岐に渡った形で実用化されたものもある。
現代は「未来予測」というものをあまりしなくなった。少なくても「今よりよくなる」という予測は、ほとんどしなくなったと思っている。やれ近い将来、富士山が大噴火するとか、関東一円を襲う大地震とか、新型ウィルスの襲来とか、こと最近は金融不安だとか雇用問題で何万にも失業者が、だとか、未来を不安視させるような出来事ばかり・・・。しかもそれが現実に肉薄するような内容ばかり見させられては、40年前に見ていた「いい未来」のような世界など描けるのだろうか、と不安になる (勘違いされると困るが、今の日本を襲うこれらの問題を無視しろ、と言っているわけではないので)。
むろん、それらの問題を解決できるような技術、方法は今も研究が続けられているし、近いうちに実現できると思っている。だけど、それらは'70年の大阪万博で提示された「未来予想図」とどれだけ近づくのか、ロボット技術は?リニアモーターカーは?宇宙への夢は?
現実を踏まえて実現できることを考えるのもいいけれど、まったくピュアな、それこそ絵空事と思われる発想が飛び出し、それが実現できたらどんなに楽しいか、今一度考える時期が来ているのかも知れない。
(マークのミラーになっている部分に全身写り込んじゃってる・・・)
大阪万博の時には、それができたんだから。