今回は、少し古いニュースネタから。
渋谷駅にある岡本太郎氏の「明日への神話」という超巨大な壁画。その隅に事故を起こした原子力発電所のイラストを追加した、というもの。元々作品のテーマが原水爆ゆえ、イラストに共感する声もある一方で、悪質なイタズラと見なす声もある。
ぼくはねぇ・・・いろいろ考えたんだけれど、やっぱりよくないな、と思う。
著作権がらみとか、いろいろな問題はあるだろうけど、問題の絵は、タッチや配色を、既存の作品に合わせ、かつ空いているスペースにはめ込んでいる(空いているスペースだから”上書きした”という批判は当たらないのだが)。ということは、元の絵がなければ、作品として成り立たなくなり、岡本太郎の「明日への神話」という作品に意図的に手を加えました、本人許諾なしで、というメッセージを図らずも発していることになる。ただ岡本氏が生きていてこれを承知すれば別に問題はないと思うが、故人となられた方の作品に対し、それは許されるのか、という疑問が残る。言葉は悪いが、「人のふんどしで相撲を取って」いる感が拭えない。
たとえば、「ゲルニカ」に、最近のテロの惨状を勝手に書き足して発表することはできるだろうか?あるいは、「サ○エさん」の原作4コママンガに、絵のタッチを真似て勝手に5コマ目のオチを追加して自分の作品を発表したり出来るだろうか?
もし岡本氏が存命していたとして、今回の騒ぎで怒り心頭になることはまずないと思うし、本人面白がって案外認めちゃいそうな気もするが。
ただぼくは、同じことをやるのであれば、たとえば追加した絵だけを単独で発表し、絵葉書か何かにして、作品のどこそこに合わせてみて下さいとか、あるいは一からオリジナルとして作り上げ、それを公開すればいいと思うのだが。
やや話がそれるが、最近、芸術家や音楽家の作品への「リスペクト」と称した作品や、問いかけがテーマの楽曲に対して、同じメロディで返す「アンサーソング」なんてのがあった。それはカヴァーなの?模倣なの?それともパクリなの?と首を傾げてしまう。歌の内容よりサウンドを重視した聴き方するぼくはどうしてもアンサーソングというのがわからないのだ。
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