レシピは「はまぐりご飯」です。アスパラガスご飯、よもぎご飯に続き、またもご飯
ものか・・と思われるかも知れません。実はこの三つ、以前から書き溜めていまし
たが、お送りする時機を失っていました。季節性の高い食材なので、時季を逃すと
来年まで待たないといけません。そんなわけでご飯ものを連続してお送りします。
はまぐりご飯はこれまでに何回か作りましたが、主材のはまぐりは中国産でした。
中国産でもはまぐりははまぐり、それなりに満足できる味でしたが、今回レシピは
3年前に書いた中国産はまぐりを、国産はまぐりに書き直しました。
国産はまぐりが出まわっているので、産地はどこか調べました。生産量が多いの
は「鹿島灘」が一番、あと伊勢湾、周防灘、有明海の一部に限られるようです。
あまり知られていないのに、島根県の高津川河口の「はまぐり」があります。
高津川は、島根県の山中に源を発し、津和野町・益田市を経て日本海にそそぐ
81㎞の川ですが、支流を含めダムが一つもない1級河川です。上流に大きな
人口密集地がなく、日本有数の清流と評価されています。鮎やツガニ(もくずがに)
が獲れ、河口で獲れる「はまぐり」は天下一品である・・と言います。
河口近くに「萩・石見空港」があり、3年前訪れて「はまぐり料理」を作る店をさがし
ましたが、時季外れで恥をかきました。
今回レシピは国産はまぐりを使いました。食材コストは確かに高いというものの、
一年に一度のぜいたくをしてみました。調味料は日本酒と少量の昆布出汁の素
だけで、はまぐりの味を引き出します。できあがりは、本当においしいご飯でした。
はまぐりは今が最高においしい時季です。お試し頂きたいと思い、お送りします。
単純なようで手数がかかるご飯です。ポイントははまぐりの扱いだろうと思います。はまぐりの本当の旬は
これからと言います。潮汁にも赤出汁にしてもおいしいですが、はまぐりご飯にすると実においしいと思い
ました。レシピの作り方は、はまぐりの煮過ぎないようにする炊き方です。旬のさなか、ぜひお試しください。
材 料 米 1.5カップ 270g ・・水洗いしてざるにあげておく
はまぐり 10こ 600g ・・酒煎りしてとりだした正味量は130g
日本酒 1/2カップ 90cc
水 1カップ 180cc
昆布出汁の素 1/3パック 3g
作り方 はまぐりを塩水につけて一晩置く
パック詰めのはまぐりでも、砂だしが不十分な時がある。
冷水500ccに16~18gの塩を混ぜて溶かし、はまぐりを
入れて冷暗所におく・・暑いときは塩水に氷を加える。
これで、口をあけたはまぐりは大丈夫・・口が閉まったまま
のものは死んでいる時があるので、要注意!
・・ナイフで口をあけて剥き身にして確かる・・匂いを嗅いで
新鮮な貝の匂いならOK。いやな臭いのものは捨てる。
はまぐりを酒煎りしする
分量の酒と水を入れた鍋を強火にかけて煮立たせる。
はまぐりを2~3こ入れてフタをする・・口を開いたら
トレーなどにとりだし、全部を酒煎りする。
貝柱をスプーンでこそぎ、はまぐりの身をとりだす。
煮汁をこしとる
砂が残っていることがあるので、煮汁をペーパーでこす。
この煮汁でご飯をしかける・・煮汁の量は300ccが必要。
少なければ、水を足す。
ご飯をしかける
洗米と煮汁を炊飯器に入れてご飯を炊く。
はまぐりの身を加えるのはご飯の水が引く直前
ご飯が炊き上がる前の、プツプツ言い出してから、酒煎りした
はまぐりをご飯の上に置いてフタをして蒸らす。
炊き上がりの熱いうちに盛りつけて、木の芽を添える。