レシピの食材は玉ねぎとジャガイモの二つです。玉ねぎはパン粉で揚げたフライとそれを主材に
した玉カツ丼(玉ねぎのフライ=カツレツからネーミング)とジャガイモの皮剥きを採りあげました。
フライのコロモづけは、小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせてパン粉をつけますが、玉ねぎのよう
に水分が多い食材は、天ぷらを揚げるときのころも=水溶きした天ぷら粉をかぶせてからパン
粉をまぶします。ぶ厚いコロモになりますが、これで揚げると失敗がありません。
玉ねぎに限らず野菜類は、揚げるとき具材の水分がコロモを破って、ベタついたフライになって
しまいます。具材の水分を揚げコロモでしっかり止めるには、厚いコロモづけにすると失敗が少
なくなります。玉ねぎのフライは、ジャガイモのフライと並んで我が家の定番料理です。厚切りして
ゆっくり揚げると中まで火を通り、これにウスターソースを振って食べると、素朴な味ながら実に
おいしいのであります。
レシピは、その玉ねぎのフライを使って「カツ丼風」にしてみました。玉ねぎのフライ・・カツレツを
丼にしたので「玉カツ丼」とネーミングしました。
パン粉をつけて揚げた料理を「カツレツ」と呼ぶ語源はフランス語のコートレット=cutlet。これは
元々は肉の切身を意味し、料理名ではなかったと言います。カツレツは豚や牛肉、鶏肉のとき
「トンカツ」、「ビフカツ」、「チキンカツ」と言いますが、同じ料理方法で作っても魚介や野菜の時は
「フライ」と言う。牡蠣は「牡蠣フライ」、エビは「エビフライ」で、牡蠣カツ・エビカツとは言いません。
ところが、鶏肉で「フライドチキン」と言うのがあるから難しい。一昔前の東京漫才「三球照代」の
ように、色々考え始めたら夜が来ても眠れないのであります。
二つ目の「ジャガイモの皮剥き」は、レシピと言うより「料理の仕込み=下こしらえ」です。料理の
下こしらえで大きなウエイトを占めるのは「皮剥き」・・それをジャガイモで実験してみました。日頃
使うジャガイモの皮剥きの用具を使い、捨てる皮と具材の質量を比べロスカット率を調べました。
結果は、食材の廃棄量=ロスカットが想像以上に大きいということでした。今回のジャガイモの
ロスカットは最大25%=1/4でしたが、ジャガイモ以外の食材のロスカットがどれほどか・・日本
料理の場合、これより大きいように思いますが、それは又の機会にお伝えしたいと思います。
玉ねぎのフライを作った翌日のお昼、残り物の玉ねぎフライを使ってカツ丼風にしてみました。
薄切り玉ねぎを煮た中に玉ねぎフライを入れて煮る・・玉ねぎを煮るに玉ねぎを以ってす・・で
あります。出来上がりは頗るおいしい丼でした。玉ねぎのかき揚げ天丼もおいしいと思います。
玉ねぎのフライの材料
玉ねぎ 2こ 300g ・・皮むきして1.5㎝厚さの筒切り
小麦粉 適量 ・・玉ネギにまぶしつける
天ぷら粉 1/3カップ 40g ・・水溶きして「天ぷらころ」もをつくる
水 1/3カップ 60cc
パン粉 適量 ・・トレーにたっぷり用意し、残りは元に戻す
揚げ油 適宜 ・・新しい油をフライパンに深さ1~2cmの量
玉カツ丼の材料
ごはん 2杯分 260g
玉ねぎのフライ 4こ 250g
玉ねぎ 1/2こ 125g ・・繊維に沿い、くし形に薄切り
玉子 3こ 165g
すき焼きのタレ 1/4カップ 45cc
昆布だし 1/4カップ 45cc
日本酒・みりん 適宜 ・・煮汁の味を調えるとき使う
作り方
玉ねぎのフライ
筒切りした玉ねぎに小麦粉をまぶしつけた後、天ぷらころもを
かぶせ、パン粉の中に入れてパン粉をまぶしつける。
・・天ぷらころもは、粘り気が出てからパン粉をまぶしつける。
小麦粉と溶き卵とパン粉では、揚げる途中玉ねぎから水分が
出てころもが剥がれ、ベトベトになるので厚いころもをかぶせる・・
揚げるとき
フライパンに油を1~2センチ深さに入れて中火にかけ、低温で
時間をかけてゆっくり揚げると、中まで火が通ります。
玉ねぎのカツ丼
鍋にすき焼きのタレとこぶ出汁を入れて火にかけ、フツフツし
始めてからスライスした玉ねぎを入れて煮る。
玉ねぎが透明になったら、玉ねぎのフライを入れて煮込み
全体がなじんだら溶き卵を回しかけ、半熟程度に火を通す。
暖かいご飯に煮汁ごと盛りつけ、熱いうちに食べる。