ジャガイモの話の続ききです。今回は男爵イモについて。男爵イモは川田龍吉が
育成・開発したジャガイモで、龍吉が男爵だったのでその名がつきました。
龍吉は1856年高知県の生まれ。父小一郎は岩崎弥太郎の三菱社創設に尽力し、
のちに日銀総裁を務めたあと、男爵の爵位を叙任された人です。
龍吉は15歳のとき英語塾で4年間学び、21歳のとき英国・スコットランドに造船
技術習得のため7年間留学します。造船所や大学で技術を習得しますが、その間
は孤独な下宿生活と職場の人間関係などで鬱屈した日々でした。
そんな中、龍吉は書店で出会ったジニー・イーディーという女性店員と恋仲になり
ます。手紙のやり取りやデートを重ね、龍吉帰国のときは結婚を約して別れました。
でも父小一郎は二人の結婚を認めず、龍吉31歳のとき同郷の女性と結婚します。
龍吉は三菱製鉄所・日本郵船に務めたあと、苦境にあった函館ドックの再建を果
たします。函館ドック在任中米国などからジャガイモの種イモを購入育成し、その
一つが今の男爵イモになりました。父小一郎の死後は男爵を継ぎ、函館郊外で
ジャガイモ栽培に取り組みます。その地がジニーと見たスコットランドのジャガイモ
畑の光景に似ていてたから・・と言います。
英国に技術留学・現地女性との恋・北海道・・且つての朝ドラ「マッサン」を思い出
しました。マッサンはハッピーエンド、片や龍吉さんは悲恋物語で切ない結末です。
一人残されたジニーは現地の服地商人と結婚したと言います。
龍吉95歳で天寿を全う。死後ジニーからの手紙89通と一房の金髪見つかります。
髪はジニーが愛の証として別れに際して渡したもので、龍吉が密かに保管してい
ました。私たちが普段食べているジャガイモにはそんな切ない物語がありました。
レシピはジャガイモの煮もの二題・・龍吉とジニーの恋物語を思いながら召し上
がってください。
ご飯のおかずにジャガイモの煮付だけ・・そんな食事で済ませた時代がありました。ジャガイモ
だけなら澱粉の主食に澱粉のおかずですが、これに厚揚げを加えると栄養成分がガラッと変わ
ります。厚揚げはタンパク質とカルシウムが豊富で値段も安い。・・大いに活用したい食材です。
材 料
ジャガイモ 2こ 150g ・・皮むきして一口大に切る
厚揚げ 1パック 150g ・・湯通しして一口大に切る
みりん 大さじ 3 30cc
日本酒 大さじ 3 30cc
醤油 大さじ 1 10cc
さとう 大さじ 1 10cc
出汁 1カップ 180cc
作り方
1.なべに出汁とジャガイモを入れて火にかける。
2.日本酒・みりん・砂糖を加えて強火で煮る。
3.沸き立ったら中火にして落し蓋をし、3~4分煮る。
4.厚揚げと醤油を加え、落し蓋をして8~10分煮る。
・・火は中火のまま・・
5.ジャガイモを串で刺してスッと通ればできあがり。
・・煮汁が多ければ」強火で沸き立たせて煮詰める・・
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