今日はJR東日本の大宮総合車両センターを見学してきた。希望者が多く、今回は定員に対し3倍ほどの応募があったそうだ。ご説明を頂いたのは総務課助役の遠山さん。見学中の写真撮影は自由だが、撮影したものをブログなどに使用するのは禁じられているので、ここには車両センター内部の写真は掲載しない。以下、見学の概要をまとめた。
大宮総合車両センターの組織内での位置づけ:大宮支社のなかの現業部門
所属正社員数 430名
説明者の遠山さんが入社された当時は2,800名、最盛期は5,800名
6,000名近い人員を擁していたのは、蒸気機関車に関する作業に人出を要したこともあるが、復員兵を受け入れなければならいという事情もあった。
新入社員は毎年24名
勤務体制 日勤 8:30 – 17:00 原則週休二日
主な担当職務
検査:鉄道車両の検査
指定保全 走行距離60万キロ以内 3 – 4年周期
装置保全 走行距離120万キロ以内 6 – 8年周期
車体保全 走行距離240万キロ以内 12 – 15年周期 車両リフレッシュ
上記以外の短周期検査は各車両センターが担当
新造:現在は殆どない。直近の新造車両は「カシオペア」の展望車
改造:直近では253系の「成田エクスプレス」から「きぬがわ」への転用改造 骨体以外全部交換
その他の事例としては京浜東北線で使用していた209系0番台を房総各線向けの209系2000番台へ改造。
10両編成の6両化、トイレの取り付け、4人がけシートへの転換など。
復元:一例としてC58 秩父鉄道の「パレオエクスプレス」復元は1988年
現在、当センターで検査中 ここで検査作業を行うのはボイラと動輪以外の部分
ボイラーは取り外して大阪のサッパボイラへ委託
動輪は住友金属へ委託
真岡鐵道のC11とC12、D51-498(SLみなかみ号)、C57-180(SLばんえつ物語号)、C61-20の復元も担当
当センターが担当する車両は約3,000両。年間約1,000両の検査を行う。
新幹線は扱わない。担当は仙台。
工場敷地は15万平方メートルだが、同敷地内にJR貨物の大宮車両所もある。
かつては同じ国鉄だったが、今は完全に別会社。
見学コース
輪軸検修:車輪と軸の抜き差しはプレス機による
400トンプレスを使用 はめる時は100トンの圧をかける
抜き差しは圧力のみによる 車輪の穴は軸径より0.2mm小さい
蒸気機関車の場合は焼きハメ
車輪は1枚300kg前後 単価は10 – 12万円 住友金属製
軸輪一組で約1トン
ちなみに電車の1両あたり総重量は30 – 50トン
蒸気機関車は70 – 80トン
↓
台車検修:電車で動力が付く車両には4つのモーターが装備される
車両から台車を外した後には、仮台車を装着
仮台車には動力がありジャッキもついて、リモコンで操作
↓
車体修繕:ちょうど185系、E231系などの作業中
3月の震災の際には、車両と車両の間に吊ってある鉄製の足場が激しくゆれ、それが作業中の車両にぶつかって損傷を与えたとのこと。
足場などに使っていた鉄骨のなかには折れたものもあったそう。
↓
車両入場:ちょうど、クハ210-3012の台車取り外し作業中
4機のジャッキで車体を持ち上げ、台車を抜く
台車は人の力だけで軽く滑るように動く
台車を抜いた後、仮台車を装着 こちらはリモコンで動力を作動させて動かす
↓
出場検査:211系の検査中
↓
車体塗装:洗車機のような形状の装置を使い、1色ずつ塗る
塗装→乾燥→塗装→乾燥→…と繰り返す。乾燥は60度の熱風による。
107系が作業中
ちなみに107系は国鉄大宮工場としての最後の新造車両
↓
車体修繕:日光線用の107系、特急「北斗星」の電源車カニ24-505、C58が作業中
寝台特急用電源車は発電機2機とそのための燃料、車内使用用の水
などを搭載するので車両としては最重量級
C58は復元のための材料費だけで3億円
↓
車両センター内資料室:職員が手作業手弁当で展示品をつくった
以上、約1時間15分ほどの見学コース。今日は集合時間が13時30分、解散は15時。
上の写真は当センター前に静態保存されている準鉄道記念物のD51187。
これは鉄道省大宮工場で製造したD51の最初の車両。1938年4月12日着工、同年9月8日完成。
この年、大宮工場で製造されたD51は8両。最終的に大宮では30両のD51が製造された。
1971年10月14日に準鉄道記念物に指定された。
D51187の配置区所および使用線区
東京鉄道局田端機関区 山手線および常磐線
大阪鉄道管理局姫路機関区 東海道、山陽本線
米子鉄道局浜田機関区 山陰本線
総走行距離 1,866,822km
大宮総合車両センターの組織内での位置づけ:大宮支社のなかの現業部門
所属正社員数 430名
説明者の遠山さんが入社された当時は2,800名、最盛期は5,800名
6,000名近い人員を擁していたのは、蒸気機関車に関する作業に人出を要したこともあるが、復員兵を受け入れなければならいという事情もあった。
新入社員は毎年24名
勤務体制 日勤 8:30 – 17:00 原則週休二日
主な担当職務
検査:鉄道車両の検査
指定保全 走行距離60万キロ以内 3 – 4年周期
装置保全 走行距離120万キロ以内 6 – 8年周期
車体保全 走行距離240万キロ以内 12 – 15年周期 車両リフレッシュ
上記以外の短周期検査は各車両センターが担当
新造:現在は殆どない。直近の新造車両は「カシオペア」の展望車
改造:直近では253系の「成田エクスプレス」から「きぬがわ」への転用改造 骨体以外全部交換
その他の事例としては京浜東北線で使用していた209系0番台を房総各線向けの209系2000番台へ改造。
10両編成の6両化、トイレの取り付け、4人がけシートへの転換など。
復元:一例としてC58 秩父鉄道の「パレオエクスプレス」復元は1988年
現在、当センターで検査中 ここで検査作業を行うのはボイラと動輪以外の部分
ボイラーは取り外して大阪のサッパボイラへ委託
動輪は住友金属へ委託
真岡鐵道のC11とC12、D51-498(SLみなかみ号)、C57-180(SLばんえつ物語号)、C61-20の復元も担当
当センターが担当する車両は約3,000両。年間約1,000両の検査を行う。
新幹線は扱わない。担当は仙台。
工場敷地は15万平方メートルだが、同敷地内にJR貨物の大宮車両所もある。
かつては同じ国鉄だったが、今は完全に別会社。
見学コース
輪軸検修:車輪と軸の抜き差しはプレス機による
400トンプレスを使用 はめる時は100トンの圧をかける
抜き差しは圧力のみによる 車輪の穴は軸径より0.2mm小さい
蒸気機関車の場合は焼きハメ
車輪は1枚300kg前後 単価は10 – 12万円 住友金属製
軸輪一組で約1トン
ちなみに電車の1両あたり総重量は30 – 50トン
蒸気機関車は70 – 80トン
↓
台車検修:電車で動力が付く車両には4つのモーターが装備される
車両から台車を外した後には、仮台車を装着
仮台車には動力がありジャッキもついて、リモコンで操作
↓
車体修繕:ちょうど185系、E231系などの作業中
3月の震災の際には、車両と車両の間に吊ってある鉄製の足場が激しくゆれ、それが作業中の車両にぶつかって損傷を与えたとのこと。
足場などに使っていた鉄骨のなかには折れたものもあったそう。
↓
車両入場:ちょうど、クハ210-3012の台車取り外し作業中
4機のジャッキで車体を持ち上げ、台車を抜く
台車は人の力だけで軽く滑るように動く
台車を抜いた後、仮台車を装着 こちらはリモコンで動力を作動させて動かす
↓
出場検査:211系の検査中
↓
車体塗装:洗車機のような形状の装置を使い、1色ずつ塗る
塗装→乾燥→塗装→乾燥→…と繰り返す。乾燥は60度の熱風による。
107系が作業中
ちなみに107系は国鉄大宮工場としての最後の新造車両
↓
車体修繕:日光線用の107系、特急「北斗星」の電源車カニ24-505、C58が作業中
寝台特急用電源車は発電機2機とそのための燃料、車内使用用の水
などを搭載するので車両としては最重量級
C58は復元のための材料費だけで3億円
↓
車両センター内資料室:職員が手作業手弁当で展示品をつくった
以上、約1時間15分ほどの見学コース。今日は集合時間が13時30分、解散は15時。
上の写真は当センター前に静態保存されている準鉄道記念物のD51187。
これは鉄道省大宮工場で製造したD51の最初の車両。1938年4月12日着工、同年9月8日完成。
この年、大宮工場で製造されたD51は8両。最終的に大宮では30両のD51が製造された。
1971年10月14日に準鉄道記念物に指定された。
D51187の配置区所および使用線区
東京鉄道局田端機関区 山手線および常磐線
大阪鉄道管理局姫路機関区 東海道、山陽本線
米子鉄道局浜田機関区 山陰本線
総走行距離 1,866,822km