熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ライカのカメラを買う

2011年11月26日 | Weblog
先日、ライカのX1というカメラを買った。コンパクトデジタルなのだが、職人が手仕事で一台ずつ組み立てているモデルだという。手仕事だからどうこう、ということではなく、強い個性を感じるものを手元に置いておきたいという気持ちから物を選ぶと、手仕事製品に行き着くことが多くなる。今時の手仕事というのは値段もそれなりになるので、行き着いたところで買うのを断念するということも多くなる。結果として、身の回りに物が増えることもなく、さっぱりとした生活になる。しかし、今回は少し様相が違う。「ライカのカメラ」というものを手にしてみたいという思いが先にあった。噂だけはいろいろ耳にしていて、ちょっと踏み出せば現物を手にすることができる、というのなら、人生も後半だし、悔いの無いように触りに行ってみようかと思ったのである。向かった先は銀座のライカ直営店。

祝日の午後、店には客がひとりもいなかった。最初は展示されている実機をいじっていたのだが、自然な流れとして店の人との会話が始まる。フィルムカメラのほうは最初から買う意思は無かったので、話題はデジタルのほうに集中する。デジタルコンパクトとしては4機種の実機が並んでいて、正直なところ、今回購入したX1以外の機種には全く魅力を感じなかった。コンパクト以外のものは興味がないので、MシリーズやSシリーズは最初から対象外だ。店の人といろいろ話をして、X1に落ち着いた。

このカメラの特徴はコンパクトでありながら、APS-Cサイズという大型のCMOSを搭載していることにある。受光素子が大型になるとピント合わせに時間を要するのは仕方がない。カタログには「ライカX1のオートフォーカス機能は素早い焦点合せを可能にし、決定的瞬間を逃しません。」などと書いてあるが、店の人は正直に「たぶん遅いと感じると思います」と言っていた。CMOS以外の部分では、カタログデータだけを比較すれば、国内メーカーの製品のほうがコストパフォーマンスは上だと思う。評価のポイントはレンズとCMOSということになる。カメラなのだから光学系の特徴に注目するのは当然なのだが、写りがどうこうというのは多分に主観の要素が大きいので使ってみなければわからない。それを想像する手がかりとしては、店頭に用意されているサンプル写真しかない。メカとしてのカメラのほうは、体良く言えば「シンプル」なものだが、撮った写真のほうは、ちょっと違ったものを感じた。店の人が勧めるように、モニターで観るだけでなく大きく引き延ばしてプリントする、という機会がどれほどあるのか疑問がないわけではないのだが、そういうことをしてみたいと思わせるものはある。これから、そういうことをしてみたいと思わせる写真を撮らないといけない。