風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「こけら落としは傘寿展=改装された愛知県美術館地下2階のアートスペースX室で」

2019-04-23 17:27:25 | アート・文化


「80歳(傘寿)80点(展)」。
耐震化など大がかりな改修を終えた愛知県美術館で昨年春から休館していた地下2階の展示室(アートスペースX)も23日にオープン、こんなタイトルで開かれている木版画の個展を見てきました。

この展示室にとっては、言わばこけら落としの展覧会。素人目ですが、それにふさわしい作品展だと思いました。29日(月・祝)までです。

木版画の傘寿展を開いているのは、岐阜県多治見市在住の阿部正枝さん。

「木版画を始めたのは20年前。それまで3年ほど油絵を習っていましたが、もっと変わったことがやりたくなって」
「勝手気ままに彫り、まさに我流版画でしたが、思い切って多治見市美術展など公募展に出したところ、これが入賞。木版画にハマりました」

以後、岐阜県美術展や棟方記念版画大賞展、川上澄生木版画大賞展などに入選、入賞の繰り返し。古希の70歳の時に初めて個展を開き、今回が2回目だそうです。

今回並べた80点は4号大から30号大までさまざま。たたみ大の作品を彫ったこともあるそうです。モチーフも多岐にわたっています。海外旅行で出掛けた風景もあれば、好きな音楽の楽譜を入れた作品も。
「イメージを膨らませて何でも彫っています」

僕よりお姉さんだけど妹みたい。随分お若いですね――。
「80歳といっても数え年。いやそれでも何か月かサバを読んだかな。早くやりたかったし、まもなく傘寿ということで」と阿部さん。2人で大笑いになりました。

※掲載した作品写真は、今回展に展示されていないのもあります。