こちらは、久し振りに晴れの天気になりました。
起床時から晴れているなんて、何日振りの事でしょう。
おまけに梅雨独特の湿っぽさもなく、爽やかです。
「毎日の事で一番いい事は、
思いがけなさにあるのだと、あたしは思うわ。
金色に晴れた朝、こんな風に目を覚まして、
この日が、どんなびっくりするような小包を渡して
くれるのかしらと思うと愉しいわ。
あたしは、いつも起きる前に10分ばかり空想に耽って、
夜になるまでに起こるかも知れない素晴らしい事を
山のように想像するのよ。」 【「アンの娘リラ」 第3章】
勿論、この思いがけなさは、いい事ばかりでなく、悪い事も起きます。
でも、いい事を想像する事の方が、何倍も幸せですし、
想像の段階から悪い事なんて・・考えたくありませんものね。
(アンではありませんが) “良い天気の日には?
良い人間になるのが、たやすい” 気が、します。
さて昨日に引き続いて、
「さんざしの花」。
北原白秋作詞の 「この道」 に、
さんざしが出て来る事は、
昨日も記しました。
「この道」 と言えば、
日本歌曲の中でも名曲中の名曲。
誰でも一度は耳にし、
歌った事も、おありかと思います。
又々、楽譜の出ている本を探しました。
その本とは、『日本名歌110曲集』。懐かしい本。懐かしい楽譜・・。
そして、そこには思いがけない懐かしい書き込みも・・。
アカシヤ=ミモザと、書いてあります。
なぐり書きですが、そんな事も、すっかり忘れていました。
そう言えば・・。この歌を歌っていた頃の事も、何となく思い出したものです。
歌は、遊び半分でしたので、いい加減なものでしたが、
この歌の背景を先生から聞いたような気が・・。
「アカシヤの花」 が、あの 「ミモザの花」 と聞いても、
その頃の私には、花など、全く興味はありませんから、何の事はありません。
それにしても、この 「ミモザ」。
ピカソやマチスがアトリエを構えた、陽光溢れる、南フランス・・というイメージでしたのに、
こんな昔から日本にあったのですね。一体誰が想像するでしょう。
でも、『赤毛のアン』 に出て来る 「ヒースの花」 が、
「エリカ」 である事を知ったのも、この声楽の先生からでしたっけ・・。
ともあれ、たった一つの 「さんざしの花」 から連鎖的に様々な事が分かって来て
嬉しく思います。そうそう、さんざしのもう一つの花言葉は、「希望」 でしたね。
この曲は、昭和2年(1927年) に作られたとの事。
北原白秋が、札幌を旅行した時の印象を詩にしたものだそうです。
“幼かった日の思い出を懐かしむように、素朴に歌いましょう。”
~なんて、この本には書いてあります。では、その素敵な詩を・・。
この道
この道はいつか来た道 この道はいつか来た道
ああ そうだよ ああ そうだよ
あかしやの花が咲いている お母様と馬車で行ったよ
あの丘はいつか見た丘 あの雲もいつか見た雲
ああ そうだよ ああ そうだよ
ほら 白い時計台だよ 山査子の枝も 垂れてる
【北原白秋:作詞 山 田耕筰:作曲】