
朝、早い時間には晴れ間も出ていましたが、その後、真珠色の空から灰色の空へ・・。
午後からは、ぽつぽつ雨も降って来ました。
でも、ここ2、3日、思わぬ梅雨の中休みとなりました。
昨日は、夕方になって庭の木をザクザク・・。
切り始めると面白くて、辺りが暗くなるまでやっていました。
こんな事になるなら、もう少し早く始めれば良かったと・・
後悔しきりなのですが、私の悪い癖なのです。
リンド夫人 の、こんな声が聞こえて来そうです。
「木も子供のようなものですよ。
ちょっと背を向けている間に、
大きくなる事は恐ろしい位だものね。・・・」
【「炉辺荘のアン」 第1章】



久し振りに廻り道して帰って来ました。
ついこの間までは、春の野の花で、
一杯だったような気がしますのに、
ちょっと見ぬ間に、夏の草に取って
代わっています。
「草いきれ」 と言うのでしょうか。
プンと、熱気の籠った草の香りも・・。
それにしても、写真で見たアンの島、
「プリンス・エドワード島」 の、一面に
咲いた、たんぽぽの綿毛の光景が、
目に焼き付いて離れません。
たんぽぽも、クローバー の原っぱも、ハンパではありませんね。
それならと・・。既に時期は、失しているので仕方ないのですが、
たんぽぽ? と、その綿毛らしきものを? 撮って来ました。
黄色や白の蝶も飛んでいましたが、そんなに都合良く、止まってはくれません。
気分だけは・・アンの島? 目を瞑れば・・? いいえ、「想像の余地」 と
いうものは、この程度でもいいのです。なんて・・・??
“朧月夜で、クローバー の野から良い香りを乗せた風が、
小径を吹きそよぎ、老淑女を迎えた。”
【「アンの友達」 2.】
アンの本を読んでいますと、こんな風に 「クローバー」 や、
「羊歯」 の香りの事が、頻繁に出て来ます。
その描写に、いつも微かな違和感を持っていたものです。
それは、日本でも例外ではありません。
「卯の花 の匂う垣根にホトトギス早も来鳴きて・・」 ~「夏は来ぬ」
日本の初夏の様子を歌った、小学校唱歌の第1節です。
この歌が歌われた100年前までは、歌の通り、結構、香っていたようです。
それが、やはりと言いますか・・。
大気汚染が原因で草花の匂いの低下が、
特に最近、著しいと言うのです。
1800年代には、野生の草の香りは、1キロから2キロ先まで届いていましたのに、
現在では、僅か200メートルに過ぎないとか。
それに伴い、蜜蜂や蝶の採蜜行動半径も縮まり、
昆虫による花粉伝搬の可能性すら減少しているそうです。
その上、香水から食品に至るまで合成香料に囲まれ、
生活している現代人の嗅覚は、衰える一方だとか。
何ともやり切れませんが、我々の撒いた種。
この辺で本気になって環境問題を考えないと、いけませんね。