だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

525,600ミニッツ

2006-04-22 22:35:30 | 映画
ブロードウェイ・ミュージカル“RENT”が、映画になりました。この傑作ミュージカルは、プッチーニのオペラ“ラ・ボエーム”をベースにしています。1830年頃のパリ、貧しいお針子ミミとやはり貧しい詩人ロドルフォの悲恋物語。他にも芸術家の卵たち/画家のマルチェッロ、音楽家のショルナール、哲学者のコッリーネらが、物語を綴ります。

このストーリーをミュージカルにしたのが、ジョナサン・ラーソンです。1996年NYのオフ・オフ・ブロードウェイにある小劇場“ニューヨーク・シアター・ワークショップ”で上演が始まりました。当時ほぼ無名のラーソンでしたが、なんと公演初日の前日1月25日、35歳の若さで突然亡くなってしまったのです。

ラーソンは、1960年ニューヨーク郊外のホワイトプレーンズ生まれ。幼い頃から演劇に関心を持ち、将来を俳優か作曲家になるか迷い、自らスティーブン・ソンドハイムに助言を得ることができ、結局音楽の方に。「RENT」と同じくボロボロのアパートに住み、ダイナーでアルバイトの日々。7年をかけて「RENT」を完成させますが、初日前日に大動脈瘤破裂で急逝。

映画「RENT」は、1989年から90年のNYイースト・ヴィレッジを舞台に、8人の若者たちの貧しくも必死に生きる姿を描いています。登場人物は、元人気ロックバンドのメンバーのロジャー(HIV+)。ナイトクラブのダンサーで麻薬中毒のミミ(HIV+)。映像作家を目指す、ロジャーのルームメイト、マーク。哲学の教授、コリンズ(HIV+)。コリンズの恋人でドラッグクィーンのエンジェル(HIV+)。

マークの元恋人でゲイのモーリーン。モーリーンの恋人で女性弁護士のジョアンヌ。かつてロジャーとマークのルームメイトだったけどお金持ちの娘と結婚し、ロフトの大家になったベニー。もう、お分かりのようにAIDSやゲイ、人種問題、犯罪、麻薬、友人の死… 舞台と同じスタイルを取って、ストーリーの中に組み込まれたミュージカル・ナンバーの素晴らしさは、見事!

オフ・オフ・ブロードウェイで始まった舞台は、わずか3ヶ月でオン・ブロードウェイに!96年のトニー賞では、最優秀作品賞/音楽賞/脚本賞/助演男優賞を受賞。同年、ミュージカルでは異例のピューリッツァー賞(ドラマ部門)も、受賞したのです!日本でも2002年の1月に翻訳上演されています。

こんなすごいミュージカルが、映画になったのですから必見です。待ちきれません!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする