だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

麗しのレジスタンス

2006-10-26 20:43:13 | 映画
昨日の記事に書いた、ケン・ローチ監督作「麦の穂をゆらす風」が、公開を待っています。この作品は今年のカンヌ国際映画祭で、パルムドールを見事受賞しました。

主演はついこの間、「プルートで朝食を」で美しくも常に前向きの女性を演じた、キリアン・マーフィ。彼は、麗しの新星です。そういえば、この映画の後、8月に冥王星(プルート)は太陽系の惑星から、矮惑星になってしまったんでした。関係ないけど…。

1920年当時のアイルランドは、長年イギリスの支配を受け、貧困と飢饉、一方的な立ち退き、さらにアイルランドの原語“ゲール語”の使用禁止、アイルランド独自のスポーツの禁止…などを強いられていました。

ロンドンでの仕事が決まり、医師になる夢を実現させようとしている青年デミアン(マーフィ)。故郷を離れる前に、仲間と興じたハーリングと呼ばれるスポーツ。しかし、イギリスから送り込まれた冷酷な武装警察隊“ブラック・アンド・タンズ”によって、そのことを咎められ、1人の若者が殺されてしまいます。

デミアンは夢をあきらめ、兄のテディと共にアイルランド独立を目指す戦いへ身を投じます。人を助けるはずの医師から、独立のために人を殺す戦争へ。長く激しい戦いの日々。アイルランドのゲリラ戦に苦しめられたイギリス軍は、ついに停戦を申し立てます。

講和条約を結び、ようやく平和が訪れたかと思いきや、アイルランドの自由は完璧なものではありませんでした。そして今もってアイルランド問題は続いているのです。ローチ監督がこの映画を描いてから、イギリスでは『これは反英国映画なのか』と、英国のマスコミを騒がせているのです。

アイルランド問題を描いた作品には、「マイケル・コリンズ」「父の祈りを」「クライング・ゲーム」「ボクサー」「ヴェロニカ・ゲリン」などなど、多くあります。日本人には馴染みが薄いアイルランドの歴史。ケン・ローチの描く美しい映像を、感動と涙と共に見に行きましょう!
コメント
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