だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

8回狙撃された大統領

2008-02-13 22:45:15 | 映画
黒澤明監督の「羅生門」(50)。原作は芥川龍之介の『藪の中』です。平安時代の山中、金持ちの侍夫婦が山賊に襲われます。侍は死体となり、妻の姿は消えていました。後に事件は、検非違使によって調べられることになります。目撃者、旅の法師、捕えられた盗賊、侍の妻、さらには巫女に呼び出された死んだ侍までが、証言をすることになります。

しかし彼らの証言は、みな食い違うのでした…。この映画は“ヴェネチア国際映画祭”でグランプリを受賞した、監督の代表作の1本です。ご覧になった方も多いかも。私もレンタルビデオで見ました。大昔。こうした1つの事件を違う角度から表現する映画は、その後、世界中でたくさん作られました。

私もこのスタイルの映画が大好き!「バンテージポイント」(08)も、そんなスタイルの映画です。監督はピート・トラヴィス。シークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、今日も米大統領の警護に当たっていました。そこは、スペインのサマランカで開催のテロ撲滅国際サミットの場。

広場で大観衆を前に、挨拶をしようとするアシュトン大統領(ウィリアム・ハート)。その時、1発の銃声が!何者かに狙撃され、倒れこむ大統領。パニック状態の中、何人かの人間が事件を目撃!自らの過去のトラウマから立ち直ったばかりのバーンズは、暗殺の真相を追求するのでした。

それぞれの場所から目撃したのは、8人。バーンズの同僚のテイラー(TV「LOST」ジャック役のマシュー・フォックス)、ビデオカメラを回していた旅行者のハワード(フォレスト・ウィッテカー)、ライブ中継していたTVニュース番組プロデューサー・レックス(シガーニー・ウィーヴァー)など。当然、彼らの目撃談は異なるのです。

“バンテージ・ポイント”とは、有利な地点/見晴らしの利く地点という意味の他にも、目撃者それぞれの視点を意味します。映画の観客の視点も同じ。私たちもスクリーンに釘づけになりそうですね。「ユージュアル・サスペクツ」(95)や「メメント」(00)がお好きな人は、ぜひ。
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